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格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す! 第76回

限定的だが効果アリ! 格安SIMでキャリアアグリゲーションを試した

2017年05月11日 12時00分更新

文● 正田拓也

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キャリアアグリゲーション利用で100Mbps超を実現

 そこで、まずは試そうということで、キャリアアグリゲーション対応のXperia XZ(SO-01J)、非対応のXperia Z3(SO-01G)を用意、それぞれ3枚のSIMで測定してみた。

 用意したSIMは、測定アプリで爆速な数字を出すことの多い「楽天モバイル」、格安SIMの定番中の定番である「IIJmio」、そして比較用にドコモ契約のSIM。これを同じ場所、ほぼ同じ時刻に差し替えて試してみた。

 まずは最も速度が出るであろう未明~早朝。最近は深夜2時台や3時台の未明の時間帯は別の用途で使っているのか最高速度が出ないことがあるため、早朝6時台に測定を行なった。

早朝6時の測定結果(Mbps)

早朝6時の測定結果(Mbps)

 注目すべきは、キャリアアグリゲーション対応機のXperia XZ(SO-01J)で記録した下り125.44Mbpsという速度。ドコモ契約でプロバイダーがspモードというドコモ利用者の標準的組み合わせのSIMで出た速度だ。

 そして、それがキャリアアグリゲーション非対応のXperia Z3(SO-01G)では、下り82.78Mbpsと下がっている。

 どちらも十分に高速なので、大容量のファイルダウンロードでもしない限り利用上の差は出ないものの、これだけの差が出る。楽天モバイルも下りが90.86Mbpsとキャリアアグリゲーションの効果が現われていそうな速度だ。

 また、IIJmioもキャリアアグリゲーション対応機のほうが下りの速度が速くなっている。さきほどボトルネックはもっと上流にあるとしたが、無線通信区間の速度が速くなることは、全体的な速度にも影響があるようだ。

 そして、注目してもらいたいのは、上りの速度が落ち込んでいること。ドコモ契約が特に顕著で、キャリアアグリゲーション対応機の上りはわずか4.62Mbpsまで落ち込んでいる。

 同様にIIJmioも上り速度が落ちるため、どうやらキャリアアグリゲーション対応機だと上り速度が下がるようだ。

朝10時の測定結果(Mbps)

朝10~11時の測定結果(Mbps)

 続いて、平日の午前中に速度測定を行なった。10時~11時のデータとなるが、下りは全体的にキャリアアグリゲーションが速く、上りはIIJmioを除いてキャリアアグリゲーションが遅いという結果になっている。

夕方17時の測定結果(Mbps)

夕方17時の測定結果(Mbps)

 さらに夕方17時台のデータ。キャリアアグリゲーション対応機が速いというよりも、むしろドコモ契約の回線の太さに驚くばかり。

 楽天は速度測定アプリでは速度が出る格安SIMの常連だが、IIJmioの落ち込みは残念で、IIJmioはキャリアアグリゲーション非対応機のほうが速いという結果になっている。こうなったらキャリアアグリゲーションの意味すらなくなる。

速度の速いときはキャリアアグリゲーション対応の効果あり!

 こうして実測値を見ると、キャリアアグリゲーション対応機による効果は、ドコモ契約の人には確実にあると言えるが、格安SIMのユーザーについては効果は限定的。早朝や午前中のビジネスタイムなど、比較的インターネットが空いている時間帯には下り速度が向上しそうだ。

 反対に、あまり速度の出ない格安SIMや、混雑時間帯メインの場合、そして写真や動画の投稿など、アップロード重視の使い方の場合、キャリアアグリゲーション対応機である必要性は現在のところ感じない。

 ただし、この状況がいつまで続くかは未知数。近い将来、キャリアアグリゲーション対応機が絶対有利という状況になる可能性もある。

 現時点では無理してキャリアアグリゲーション対応機を購入する必要はないものの、キャリアアグリゲーション対応機が選べるならば、選んでおいて損はないだろうとうことではないだろうか。

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