予選から勝利の片鱗が見え隠れ
ついにSUPER GTの2017シーズンが始まった。そして今年は初音ミクGTプロジェクトが参戦10シーズン目を迎えるという、メモリアルイヤーだ。そんなシーズンに、どんな結果を残せるのだろうか。
岡山は過去に優勝もしているし、表彰台に何度も乗っているGOODSMILE RACING & TeamUKYOと相性がいいコースだ。今年3月に行なわれた合同テストで良いタイムを出していただけに、予選にも期待がかかった。
天気予報では雨だったのだが、朝の練習走行から雨が止み、路面は乾いていった。最初はウェットタイヤで、途中からドライタイヤに履き替えて走行したところ、ベストタイムを次々に記録していき、最終的に3番手タイムで走行時間は終了した。
予選1回目は片岡選手が担当。14位までが2回目に進むことができるのだが、最近はタイムが均衡しており、1秒以内に10台以上いることも多く、最後まで油断できない。途中、クラッシュが発生し赤旗中断になったものの、片岡選手は「1'26.120」でトップタイムを記録。堂々の1位で通過した。
予選2回目は谷口選手が担当。ポールポジションいけるかも、という予感どおり「1'25.679」を記録してトップの座に立つ。しかし、すぐに65号車(LEON CVSTOS AMG)が「1'25.044」を記録して逆転。さらにタイムを出すべく、谷口選手は渾身の力でアタックを敢行したものの「1'25.166」とあと一歩届かなかった。この結果から予選は2番グリッドからとなったが、トップを狙える位置なのは間違いない。
度重なる赤旗中断に苦しめられるも
後続を寄せ付けず3年ぶりの頂点へ!
SUPER GTは今年からスケジュール進行が変更になり、決勝日朝のフリー走行がなくなり、決勝前のウォームアップ走行が20分と拡大された。このことが決勝レースにどう影響するのか……。
この日も雨予想だったが、気温は低いものの朝から晴れ模様。「このまま路面が乾いてくれればいける」とチームは自信を見せる。決勝のスタートドライバーは片岡選手。目の前の65号車を早めにパスできれば、後続にアドバンテージを築ける……のだが、フォーメーションラップ中にGT500クラスのNSXがマシントラブルで続々と止まってしまったため、赤旗中断からのセーフティーカースタートとなった。
セーフティーカーが解除され、ようやくレーススタート。前を走る65号車を早い段階でロックオンするも、今度は52号車(埼玉トヨペットGreenBraveマークX MC)がクラッシュ。再び赤旗中断になってしまった。10周目にセーフティーカーは解除され、65号車を猛追、18周目についにオーバーテイクに成功した。前を遮るものがなくなったミクAMGは快調に走り、2位以下に大量リードを築いていく。
29周目に1位のままピットインし、谷口選手に交代。ピット時間短縮のため、タイヤは左側の2本のみを交換してコースに戻っていく。アウトラップでは16位に落ちたが、ピットに入ったチームの中では1位を走り続けていた。タイヤも温まってきて、元のペースを取り戻したミクAMGは、ほかのライバルより2秒も速いタイムで周回し、次々に順位を上げていく。49周目にはついに1位に戻ってきていた。そんな矢先、50号車(Ferrari 488 GT3)がクラッシュ。3度目のセーフティーカーが出動、10秒以上のマージンもリセットされてしまった。
57周目にセーフティーカーが解除されてレースがリスタート。ミクAMGは再び2位以下と差を広げていく。長いこと65号車と25号車(VivaC 86 MC)が2位争いをしていたこともあり、ミクAMGは独走状態だったが、25号車がスピンをしてしまい、そのスキをぬって65号車は2位に上がってきた。65号車のペースも急激に上がって、徐々にミクAMGに追いついてきてはいたが、残り周回数が少なかったのもあって追いつけず、ミクAMGが危なげなくトップでチェッカーを受けた。赤旗中断が度々あったが、終始ミクAMGがレースを支配していた岡山戦であった。
GOODSMILE RACING & TeamUKYOの優勝は2014年の第2戦富士以来。約3年ぶりである。2013年後半から2連勝し、さらに2014年は開幕2連勝からのチャンピオンだった。そこから2015~2016年は表彰台こそ上ったものの、優勝から遠ざかっていた。そんな辛く苦しい2年を経ての優勝だけに、チームもファンも喜びが爆発したのだった。
次戦は5月3~4日のゴールデンウィーク真っ只中、富士スピードウェイで開催される。40kgのウェイトハンデが載るだけでなく、Mercedes-AMG GT3にとってあまり得意なサーキットではないが、この調子で久々の2連勝を期待したい。
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