アドビシステムズは4月5日、米国の1500人の会社員を対象に実施した調査「Performance Reviews Get a Failing Grade(パフォーマンスレビューに不合格判定)」の結果をブログ内で公表した。
人事評価の多くは時代遅れで、多くの時間を費やさなくてはならないストレスフルなものと認識され、調査によると、従来型の人事評価が従業員やマネージャーからいかに非生産的で無意味だと思われているかを明らかにしているという。
調査対象となった従業員の88%は、ランク付けや数値の評価をともなう文書によるレビューなど、体系的な従来型の人事評価を定期的に受けなければならないと答えている。
しかし、こうしたレビューが同僚間の競争を激化させ、人間関係上のストレスを増やしており、感情的なやりとりや退職にも繋がるとも回答している。
主な調査結果は以下のようになっている。
従業員とマネージャーの多くが、人事評価の準備は時間の無駄であると考えている。(従業員:72%、マネージャー:88%)
マネージャーは人事評価の準備に、従業員1人あたり平均17時間を費やしているという。また従業員(64%)とマネージャー(62%)が、人事評価は時代遅れと考えている結果となった。さらに、従業員の半数以上が、人事評価は仕事に対する影響力はない(59%)または、不必要である(58%)と考えていると出た。
人事評価によるランク付けや数値による評価は、同僚間の競争や感情的なやりとりを生み、ストレスの原因となる
従業員の半分以上が、人事評価によって同僚との競争が生まれた(57%)、直属の上司が気に入った部下をひいきする(61%)と答えた。
また、ミレニアル世代は61%が、給与と役職が同等であっても人事評価のない会社に転職したいと答え、 34%が人事評価の後に泣き、47%が別の仕事を探し、30%が即座に退職したと答えた。
特に男性が顕著にストレスを感じていおり、男性のうち4人に1人が人事評価の後に泣いている(男性25%、女性18%)。転職を考えた人(男性43%、女性31%)、会社を辞めた人(男性28%、女性11%)ともに女性より男性が多い結果となった。
従業員は頻繁に質の高いフィードバックを受けられるような協力的なプロセスを求めている
半数以上の従業員(55%)とマネージャー(66%)が、自分の会社が現行の人事評価を廃止するか、別の制度に変えてほしいと願っていると回答し、従業員は従来型の人事評価を廃止した会社のほうが、柔軟性が高く(46%)、従業員の幸福度も高く(44%)、協力的な企業文化になる(38%)と考えている。