2017年2月24日、初めてのプレミアムフライデー。金曜の夜を楽しく過ごすには? そう、もちろんJAWS-UG!この日は新宿駅をはさんで西側ではSecurity-JAWS、東側ではNW-JAWSが開催されていた。さすがはプレミアムフライデー。JAWSが新宿占拠だ! 私が選んだのは、第2回NW-JAWS。ネットワークが好きだー! 理由はそれだけ。ちなみに第2回NW-JAWSのテーマは、ルーター特集。特集名だけでわっくわくだヨ。
せっかくのプレミアムフライデー、ネットワーク話で盛り上がろう!
司会進行を務めるスカイアーチの岡田さんから諸注意事項の案内があり、その後にNTT東日本の里見 宗律さんがNW-JAWSの趣旨を説明。「ネットワークJAWSとは」という話をしている傍で缶ビール、ピザが配られるゆるいスタートだ。もちろん、スカイアーチさんのおなじみサバ缶も山積み。Twitterでは「あれ、乾杯ないの?」とツイートする人がいたが、そんなことはおかまいなし。それぞれ好き好きにビールをやりながら、ネットワークの話に邁進だ!
「私が入社した頃はケーブリングの美しさについて語られたものだけど、いまやそんなものは関係ないと。アプリケーションレイヤーに注力していく時代になっています」(里見さん)
えーっ、何言ってんすか里見さん! サーバールームに入ったときに目に飛び込んで来るでしょ、ケーブリング!色分けがうまかったりタグがきちっとついていたりすると、しっかりした会社だなあって思うじゃないですか。束ね方や引き回しが美しいとうっとりするじゃないですか。うっとりしません? しますよね? きっとうっとりする人が集まってると信じてる。
そして里見さんからは、運営メンバーを募集しているという話もあった。
「第1回、そして今回と、NTTとKDDIとでキャリアを超えて協力して運営してきましたが、参加メンバーのリストを見ると、ソフトバンクさんもけっこういらしてるはずなんですよね。TOKAIコミュニケーションズさんとか。ぜひ運営にもご協力ください」(里見さん)
ピアノ? バイク? いやいや、ヤマハと言えばルーターでしょ!
さて本編のルーター特集でトップセッションに立ったのは、ヤマハの平野 尚志さん。「(JAWS-UG磐田の)原子さんが、お前行ってこいって言うので来ました」と言う平野さんだけど、ルーターを語るには最高の人選だったんじゃないだろうか。編集部の大谷も「ヤマハルーターの語り部」と評した人物だ。
「ヤマハがネットワーク機器を作り始めて2015年3月で20周年を迎えました。それを気に、ヤマハがネットワーク機器を作り始めた背景を調査研究してみようと思い立ちました」(平野さん)
もういきなり盲点だった。ヤマハがルーターを作っているのなんて当たり前すぎて、筆者は「なぜ」なんて考えたこともなかった。そういえば、ネットボランチが登場したときには「がんばれば家庭でも本格的なネットワークを作れそうじゃないか!」ってテンション上がった記憶があるなあ……なんて当時を思い返しかけたとたん、平野さんはものすごい年表を出してきた。
「ルーターを作る前にはどんな電子機器を作っていたのか振り返ってみたのがこの年表です。こうして見ると、かなり昔から電子機器を作っていたんですね」(平野さん)
1987年にヤマハはFAXモデム用のLSIを作っている。そしてその背景にあったのは、1981年に発売されたMSXや、MSX用のFM音源LSIだった。いきなり懐かしさ全開だ。ヤマハ製ではなかったものの、筆者も1984年からMSX、1987年からMSX2を使っていた。パナソニックから発売されたFM音源カートリッジ「FM-PAC」に憧れたけれど、使い道がなく購入を見送った。このFM-PACに搭載されていたFM音源LSIも、ヤマハ製のYM2413。MSX標準のPSG3音に加えて、FM音源6チャネルとリズム音源5チャネルを同時発音可能で、アシュギーネシリーズなどのゲームに対応していた。もうこのあたりから思い出が止まらない。ヤマハの音源といえば、MIDI音源もあった。1990年代、PCにMIDI音源を接続して音楽データを再生するのが流行ったが、その人気を二分していたのがローランドのGS音源とヤマハのGM音源だった。友人がGM音源を買ったのがうらやましかったなあ。1990年代のGM/XG音源と言えば、小室哲哉が使っていたEOSにも憧れた。鍵盤楽器なんか弾けやしないのに。
なんてことを思い出している間に、平野さんの説明は進んでいて、「MSXをLSIから作り、FAXモデム用のLSIも作り、パソコン同士を通信させる技術の必要性に早くから気づいていた」と年表をたどっていた。そして現れるJUNET、WIDEの文字。もうこのあたりのキーワードは筆者の記憶を刺激しまくり。1993年に某工業大学に入学した筆者は、パソコン通信からインターネットへの移行期に学生時代を過ごし、その変遷を見てきたのだ。ヤマハはこの当時からインターネットの将来性を見越していて、1995年に最初のISDNルーターを発売している。「ロクヨン、ロクヨン、イチニッパ!」なんてテレビCMが流れていた頃。パソコン通信でもしていなければ、ISDNなんて何に役立つのかわからなかっただろうな。今の若い人にとっても、逆に何の意味があるのかわからないかもしれないけれど。(編集部註:妄想が長くてすいません)