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発見!Steamおすすめのゲーム 第46回

予想外の展開とシモネタ満載なターン制シミュレーション「Pit people」:Steam

2017年03月10日 18時00分更新

文● rate-dat 編集●ジサトラアキラ

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 元来、日本では競技として囲碁、将棋が発展を遂げてきた。現代ではターン制シミュレーションのジャンルの説明の引用として用いられることも少なくはない。察しの良い方なら、もうお気づきかもしれないが今回の紹介タイトルの話だ。

 第47回で紹介するタイトルは「Pit People」。海外インディーメーカーの中でも独自の世界観をもった“The Behemoth”の新作だ。XBOX LIVE Arcadeで配信した「Castel Crashers」のヒットを気に一躍成長したメーカーであり、メタなナレーションと小学生レベルの下ネタ(サウスパークが好きな人にはたまらないレベル)を扱わせれば並ぶものが無い作品を作り出すユニークなメーカーでもある。

 ほかのユニークな部分で言えばプレイヤーキャラクターに対してのカスタマイズの豊富さを誇り、前作の「BattleBlock Theater」ではSteamマーケットを利用したプレイヤー間でのトレードも実現させた。

HORATIO冒頭ストーリーの紹介だよ!

 この世界はどこから突っ込んでいいのか分からないが画像のような事態が起きたせいで大混乱が起きている。体液の雨は有毒で各地に被害が出ている。ちなみに文中に出てくる神の手とはこのクマの手である。

 詳しくはネタバレになるため伏せるが、この大混乱のせいで主人公HORATIOは全てを失って謎のコロシアムことPit(ピット)にたどり着く。このピットで何故か生計を立てることになるのが始まりなのだが……プレイした場合どうしてそんなことになったの?と何度も聞きたくなる。書いている私も何故だか全く分からない、いや本当。

「HORATIO お前は死ぬんだよ!」

HORATIOは本作品の主人公 「とにかくお前は死ぬんだよ!」と何度も神の手にさいなまれる。詳細は伏せるがオープニングでは神の気まぐれでとんでもなくひどい目に合った上に、全てを失って家を追われることになる。

 さて、今回の作品は最初に書いたようにターンベースのシミュレーションゲームだ。本作品はキーボードでもゲームパッドでもどちらでも操作可能なので使いやすいほうを選んでほしい。

 操作方法も至ってシンプルで、行きたい場所を指定して相手をブン殴るだけ。ただ、一点だけ定番のターン制シミュレーションと違う部分がある。それは、AIは言うことを聞かないということだ。

「指定した位置に移動はするのでは?」と疑問に思うのは手に取るように想像できる。しかし、本作品は移動は言うことを聞くが、攻撃対象などはAIが思うままに動くのだ。回復も攻撃も思ったようにやってくれないし、対象を絞りさえすればある程度はコントロールできる。全滅してもリスクは高くないため、思うように動いてみれば活路が見いだせる場合も……。

カップケーキの「GLUTEN」、カップケーキであることに突っ込むのは野暮だが、本作品でのれっきとした回復役だ。

 本作品には武器と防具に強弱の関係がある。画像のように「剣はヘルメットに対して効果が低い」といった関係があるのだが、この武器や装備は自由にカスタマイズが可能だ。

 そして、本作品の沼とも言える楽しさはここにある。装備は後述するクエストなどで得ることができるので、装備を拾い集めることも大きな楽しみのひとつなのだ。装備によって効果も見た目も重さも違うため、自分が戦いやすい編成を組み上げるのが「Pit People」の面白さでもある。

 HORATIOの初期装備は盾を持ったディフェンダーとして示されているが、盾を外してアタッカーに変えることも出来る。ただ、画像のように重量が重くなれば移動可能距離も落ちる上性能も下がってしまう。また種族によっては装備が変更できない場合もある。先ほどの「GLUTEN」のようなカップケーキ族がその例だ。

「HORATIO お前はマップを歩くんだよ!」

イスパニアから女王陛下のためにやってきた女性衛士「SOFIA」良く言えば忠誠心の高いお方だが、身も蓋もなく言えばブッ飛んだお方である。いや、その設定も世界観から言えばブッ飛んでいるのだが。

 戦闘だけでなく、本作品はマップを歩き回る場面がある。戦闘中以外はマップを歩き回ってクエストをこなしたり、コイン集めや、名所巡りができるが、戦闘中と違い、文字通り縦横無尽に好き勝手に動き回れる。コインはそのままお金と考えればいいが、名所にたどり着いた場合は経験値を得ることができる。経験値を一定数獲得すれば、HPなどが若干成長するのでできるだけマップ巡りをすると良いだろう。

名所を発見すれば彼女が左下から思いっきり出てくるため分かりやすい。

 街の外に出る前にサブかメインストーリークエストをひとつ請け負える。内容はまぁ……画像みたいな内容ばかりなのだが。失敗してもデメリットはない。クエストをこなす事でお金やアイテムが手に入る。手っ取り早くアイテムを集めるならクエストをこなすのが良いだろう。

帰還時に神の手によりマップ配置が変わるためローグライク的な側面もある。

 マップ上には敵もうろついているため接触すると戦闘に突入する。戦闘に突入した場合はその付近の地形を元に戦闘マップは自動生成される。ただ、戦闘終了後のHPはそのままもち越しとなるため、諦めて帰ることも戦略ではある。しかし、拠点に戻れば回復できるが現在請け負っているクエストなどは失敗となってしまう。ただ、街を出る前に回復キャンプを購入していればマップ上で回復ができるため、余裕があるなら戦闘を重ねるのもアリだ。

戦闘不能になってもキャラクターと永遠の別れというわけではない。仲間が死んだというのにフランクに見えるのは気のせいだ。

「HORATIO お前は捕獲するんだよ!」

開幕で滅ぶ王国の女王「PIPISTRELLA」重いメイスを振り回す美しい女性だ。(ナレーション談)

 好きに編成を組むことが出来ると前述で説明した通り、パーティーは6人まで好きなように組める。しかし、その人員は自分で見つけてこなければならない。話を進めれば5人目までは集まるのだが、6人目はいない。そこでリクルーターの出番だ。

 内容は物騒だが、実際そのままの内容なのである。さきほどのクエスト受領画面でアイテムを購入できるのだが、そこで購入可能な“檻”を常備しておけば捕獲可能な兵士は全て仲間にすることが可能なのだ。

実際に捕らえた場合はどんな能力などをもっているかが表示される。街に戻ればパーティーに組み込むことが可能だ。

 ネットを使う場合は画像のように装備画面でネットを持たせるだけで良いのだが、ネットは重量があるため、必然的に軽装備となる点には注意だ。また、インベントリに檻がなければそもそも捕獲出来ないのも忘れてはならない。(メインキャラクターであるSOFIA嬢の初期装備がこのネットであったりする。)

お金は街の入り口だけでなく、町中の市場でも使用可能だ。アイテムや武器、仲間も購入可能だが値段は表記の通り高い。ピットでドツきあうかマップへ繰り出して稼ごう。

「Horaitio お前はまだ未完成なんだよ!」

 さて、今回紹介した「Pit people」だが、実はアーリーアクセスタイトルである。未完成ではあるが、Behemothお馴染みのコレクション要素はかなりできており、探索するたびに新しいアイテムを見るくらいだ。かなりの部分ができ上がっている点に加えて、過去のゲームから考えても途中で投げ出される心配は無いだろう。

同社の過去作を所有していると、ボーナス特典として前作のメイン4人のヘルムと友達(帽子男)のヘッドが手に入る。

 Behemoth社の作品は、見た目も内容もコミカルではあるがゲーム性は手堅い。本作品もアーリーとはいえ堅実な仕上がりであり、現状では特に不満点もなかった。日本語訳は一部未訳だが、ゲームの進行を妨げるほどではないため安心してほしい。

 今回、執筆期間中に試すことが出来なかったが、プレイヤー同士の対戦もサポートしている。ローカルでもネットワークによるマルチ対戦も行なえるので、友人とドツきあいをするのも良いだろう。AIとの対戦ならシングルでも可能なので、金に困ったらAIとピットでドツきあうと良いぞ。

Pit peopleの推奨動作環境は?

 最低環境の記述でグラフィックの要件がVRAM 512MB以上となっているため、CPU内蔵GPUでも動作する軽さだ。CPUも最低でCore 2 Duo以上と古いものが指定されているので、ここ数年のPCに搭載しているGPUを内蔵したCPUで問題なく動作するだろう。

『Pit people』
●The Behemoth
●1480円(2017年1月13日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows Vista以上
ジャンル Early Access ストラテジー ターン性コンバット コメディー カジュアル
© 2017 The Behemoth

■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat

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