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画像編集は「ディープラーニング」がキーに

マウスコンピューター「DAIV」搭載のGPUはどれくらいスゴイのか?

文●貝塚/ASCII

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クリエイターやエンジニアに向けたシリーズ「DAIV」

進歩するGPU
キーは「ディープラーニング」

 2月末にパシフィコ横浜で開催されたCP+2017で、マウスコンピューターがブースを出展し、クリエイター向けPC「DAIV(ダイブ)」シリーズなどを展示した。

 DAIVはハイエンドのCPU/GPUを搭載し、画像編集や動画編集をする機会の多いアマチュアクリエイターや、業務として制作に携わるユーザー、高度な処理が必要になるエンジニアに向けた製品を多数ラインアップするシリーズ。ブースでのトークセッションでは、DAIVにも搭載されるGPU「GeForce」や「Quadro」を開発するNVIDIAの澤井理紀氏(コンスーマー マーケティング部)がGPUの進歩と、それに伴う近年の画像編集技術について紹介した。

「DAIV-NG7610」シリーズの展示もあった。発売して間もない第7世代のインテルCoreプロセッサーと、GPUにはGeForce GTX 1080を搭載する有力機種だ

 「ゲームだけでなく、ARやVR、データセンターや自動運転にも(GPUは)活用され始めています」と澤井氏。

 グラフィック要素を多く含んだ高度な演算をCPUでなくGPUで行ない、処理を高速化する技術に注目が集まっている(ビジュアルコンピューティング)。特に、「ディープラーニング」という処理が、近年のビジュアル&AIコンピューティングのキーだという。ディープラーニングとは、「ニューラルネットワーク」と呼ばれる多層構造のネットワークを活用した学習の仕組みを指す。「コンピューターで人の脳の『ニューロン』のような仕組みを作ります。たとえば、コンピューターにネコの画像を認識させると、『ネコの画像だ』とわかるようになってきています」(澤井氏)。

ディープラーニングが画像処理の分野でもキーになる

多層ネットワークが人間の脳のような働きをする

画像編集も日々進歩している

 澤井氏が「スマートフォンの音声アシスタントシステムもそうですし、アドビさんは、Photoshopにディープラーニングを使った機能を実装しています」と話すように、ディープラーニングは我々の身近なところですでに使われ始めている。Photoshopの例では、画像データ上のフォントをアドビのニューラルネットワークが分析し、類似フォントをユーザーに提示してくれる「マッチングフォント」という新機能に使われている。

高度な処理にも耐えうるGPUを搭載するのがDAIVシリーズだ

NVIDIAの澤井理紀氏(コンスーマー マーケティング部)

 「GPUを活用することで、『写真に何が写っているのか』を自動的にコンピューターが解釈できるようになっています。さらに最近では、コンピューターは、画像に対する質問にも答えられる。今後は『ちょっと笑顔にして』や『ちょっと足を長くして』と言葉で命令するだけで、コンピューターが勝手に編集してくれる時代が来るかもしれません」(澤井氏)

 最近ではGoogle翻訳への導入でも話題になったニューラルネットワークや、ディープラーニング。今後は画像編集の分野でも大いに活用されていきそうだ。まだ一般普及する段階にはなっていないが、研究段階では、画像編集はSF映画の一歩手前まで来ていることがうかがえた。企業や研究機関でも使われるNVIDIA製のGPUを搭載するDAIVシリーズで、高度な処理性能を体感してみてはいかがだろう。

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