映画や音楽はもちろん、ゲームなどでもお手軽にサラウンド音響を楽しむための本特集。第2回は、身近な価格で導入できるエントリークラスのサラウンドシステムを紹介する。
サラウンドというと、5本のスピーカーに1本のサブウーファーを組み合わせたスピーカーのセットが必要と思う人もいるかもしれないが、ヘッドフォンなどでも手軽に楽しむことができる。
サラウンドヘッドフォンというと、一昔前だとさまざまな入力に対応するベースユニットがあって、ヘッドフォンはワイヤレスで、数万円のお値段のものが普通だった。
しかし、ここ最近はVRコンテンツが注目を集めているのに合わせ、比較的低価格なヘッドフォンやイヤフォンでもサラウンドを楽しめる製品も登場してきている。
たとえば、上海問屋で販売中の「バーチャル5.2ch 3Dイヤフォン」(販売価格 1990円)。イヤフォンタイプだからコンパクトでかさばらないので、VRゴーグルと組み合わせて使いたい人にとっても重宝する製品だ。
バーチャル3D再生についての詳しい仕組みは不明だが、接続端子は通常のステレオミニ端子なのでステレオ音声を仮想的にサラウンド化して再現するタイプのモデルと思われる。Dolby DigitalやDTS digitalサラウンドといったサラウンド音声などに対応するモデルではないので注意。
イヤフォン部はアルミ製のハウジングを採用し、ドライバーに15.4cmと口径の大きなユニットを採用するなど音の迫力を高めていることがポイント。YouTubeなどでも公開されているたくさんの3D動画やVR動画をより臨場感の豊かな音で楽しみたいという人に適したモデルだ。
そのほか、後述するエレコム「HS-VRS01BK」など、VRだけでなく汎用のAV機器(テレビやポータブルプレーヤーなど)などでも使えそうな製品もあるので要チェックだ。
5.1chや7.1chのサラウンド音声をリアルに楽しむならば
ゲーミングヘッドセットという選択肢も
ステレオ音声をサラウンド化するモデルは、さまざまなコンテンツでサラウンド音声を楽しめるが、ゲームなどの5.1/7.1chサラウンド音声には対応していない。
FPSゲームでは前方だけでなく画面外の左右や後方から出現する敵の足音や銃声をサラウンドで再現できるが、こうしたサラウンド音声でリアルな後方からの音を聴きたいというならば、より本格的なサラウンドヘッドフォンが必要になる。
本格的なサラウンドヘッドフォンはなかなかに高価だが、入門用として比較的お手頃な価格のモデルもある。それがロジクールの「G533ワイヤレス」(販売価格 1万6130円)。これは7.1chサラウンド対応のゲーミングヘッドセット。
独自の「Pro-Gオーディオドライバー」と「DTS Headphone:X」を採用しており、PCの7.1chのサラウンド音声をヘッドフォンでリアルな位置から再現できる。これならば、後方からの音もきちんと後方から再現でき、FPSゲームなども存分に楽しめる。
しかもロスレスオーディオ伝送によるワイヤレス接続なので、ノイズの影響の少ないデジタル接続の高音質とワイヤレスの快適な使い勝手を実現している。ちなみにバッテリーの連続使用時間は最長約15時間なので、長時間たっぷりとゲームしたいという人でも安心だろう。
このほか、ノイズキャンセリング機能付きのマイクも付属しており、ボイスチャットなども高音質で行なえる。付属のソフトウェアを使って音質調整などを細かく設定できるなど、こだわり派にもうれしい高機能なモデルとなっている。
こうしたゲーミングヘッドセットは、ロジクールだけでなく各社から発売されており、価格も1万~数万円ほどの比較的身近な価格となっている。特にゲームでのサラウンドを存分に楽しみたいという人はこうしたモデルがおすすめだ。
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