ここ数年、中国では11月から年末までECサイトはずっと商戦期だ。
11月11日にはECサイト「天猫(Tmall)」「京東(JD)」が中心となったECサイト祭り「双十一」にはじまり、「ブラックフライデー」や「双十二」といったEC祭り、さらにはクリスマスや正月商戦が待ち受ける。
もっといえば、その先には春節(旧正月)商戦もある。この時期、中国のバス停や地下鉄駅では何かしらのECサイトや、対抗する家電量販店の広告があり、“ああ年の瀬なんだなぁ”とネットにアンテナがたつ中国人は思うだろう。
家電量販店もECサイトに負けず力を入れる時期だ。中国の家電量販店といえば、「蘇寧電器(SUNING)」と「国美電器(GOME)」の2大巨頭が各都市で競合している。
テレビフロアを見てみれば、「ハイアール」「創維(Skyworth)」「海信(HiSense)」「長虹(Changhong)」「康佳(KONKA)」といった定番の中国地場ブランド製品が売られ、店によっては「楽視」や「PPTV」などの新興のネット系ブランド製品もある。
外国では定番のサムスンやLGの韓国勢があり、日本ブランドではソニーやシャープ、それに蘇寧電器では同店限定でパイオニアの液晶テレビが、国美では同店限定で三洋の液晶テレビがそれぞれ売られている。
パイオニアと三洋の最新テレビが今も中国では売られている
大事なことなので2度書くが中国では、日本でプラズマテレビを売っていたパイオニアブランドの液晶テレビがあり、また三洋の液晶テレビが売られている。
しかも両社のラインナップを見ると、下は32インチから上は50インチクラスまであり、しかもスマートテレビがおよそ半分を占める。
つまり現役のブランドだ。両家電量販店で最も手軽に買える価格帯でパイオニアと三洋の液晶テレビは売られている。
中国は蘇寧電器がテレビにおいてパイオニアのブランドを利用し、国美が同様に三洋のブランドを利用するという契約を結んでいることから、パイオニアや三洋のテレビは中国で存在するのだ。加えて、今年からは長虹が三洋ブランドを利用し世界展開すると発表した。
一部のメーカーの製品は、「シャープ製パネル搭載!」とパネルの良さをうたい、また上位機種では中国メーカーでも曲面テレビや4Kテレビが売られていることもあるが、多くの中国メーカーのテレビはコストパフォーマンスで勝負している。
中国テレビメーカー同士の価格競争の最前線に、日本ブランドのパイオニアや三洋がある。年の瀬だし、筆者も新しいテレビを1台と、三洋の42インチスマートテレビを購入することにした。
42インチスマートテレビにして、1999元からセール期間で200元引きの1799元で、円安で外国の買い物が高く感じる現在でも日本円で3万円ちょっとであった。

この連載の記事
-
第213回
トピックス
日本から一番近いアフリカが中国・広州にあった デジタル中古市場の熱気がすごかった! -
第212回
トピックス
中国でも大人気のいらすとや 人気になった理由と中国流スタンプ文化 -
第211回
トピックス
日本のSNSでブレイクの「格付けミーム」は中国発 中国のコンテンツが日本で二次創作に使われる例が生まれる -
第210回
スマホ
中国で中古スマホ市場が真っ当化 中華スマホが安く買えるようになった -
第209回
トピックス
海外旅行でAIアシスタントを活用したら、見知らぬ場所にも行けて旅が楽しくなった! -
第208回
トピックス
中国のゲーマーが20数年待ち望んだ国産AAAタイトル『黒神話・悟空』の人気で勝手にビジネスを始める中国の人々 -
第207回
スマホ
折りたたみスマホが次々と登場する中国 カワイイニーズ&成金ニーズがキーワードか -
第206回
トピックス
AI時代に入り、中国独自の半導体による脱米国の可能性は少し出てきた!? -
第205回
トピックス
中国のガジェットレビューがメッチャまとも&有用になっていたのにはワケがあった -
第204回
トピックス
必死に隠して学校にスマホ持ち込み!? 中国で人気のスマホ隠蔽グッズは水筒に鏡に弁当箱 -
第203回
トピックス
死んだ人をAIを動かすデジタル蘇生が中国で話題! 誰もが「死せる孔明生ける仲達を走らす」時代に!? - この連載の一覧へ