ソニーモバイルは、ソニー・ミュージックエンタテインメント(以下、SME)とその子会社であり音楽配信サービス「mora」を運営するレーベルゲートと、Xperiaとハイレゾに関する取り組みについて解説しました。
ハイレゾを強みとするスマホ「Xperia」
ソニーモバイルの「Xperia」と言えば、ソニーのさまざまな技術が結集されたスマートフォン。そのなかでも「オーディオ機能」については、地道な進化・改善がつづいています。
USB DACなしでハイレゾ音源を聴ける端末として使える「Xperia Z3」以降の端末は、2016年10月末時点で約944万台を販売。これは同社グループの音楽プレーヤー「WALKMAN」をはるかにしのぐ数となっています。
同社調べではスマホで音楽をよく聞く人も例年増えており、Xperiaユーザーに対するアンケートでは音質も非常に重視されているとのこと。そのこともあり、同社では2015年夏よりXperiaのCMにはハイレゾを語ったものが投下されています。
Xperiaとの相性がよい「mora」の最近の傾向
ハイレゾ音源を配信している「mora」もXperiaの新モデルが発売されるたびに、売り上げは上昇傾向にあると語ります。
ハイレゾ楽曲のダウンロード数を見ると、3年前と比べアルバム単位での売り上げは7倍、単曲売り上げは39倍にも成長。
レーベルゲートが行なったmoraユーザー200名に対するアンケートでは、ハイレゾの試聴環境としてWALKMAN(42%)、次点にスマホ(39%)が挙がっており、スマホの内訳としては72%が「Xperia」となっています。
また、ソニーモバイルとレーベルゲートは、共同でXperiaとハイレゾに関するプロモーションを実施中。moraではXperiaのCMソングである「VOICES」のハイレゾ音源を無料でダウンロードできるようになっています。
配信されているVOICESは元のCMに利用されたメロディーだけでなく、ヴァイオリニストのAyasaさんが弾く「VOICES Strings ver. 〜featuring Ayasa」や、初音ミクとコラボした「VOICES tilt-six Remix feat. Miku Hatsune」なども用意。現在は、能楽、マリンバ、ピアノバージョンも加わり全6種類が無料配信されています。
メロディーは統一し、使用楽器を変えアレンジを加えている理由として、レーベルゲート マーケティング課課長の中川雄策氏は「さまざまな種類の音を聞いてもらうことによって、ハイレゾの魅力が伝えたい」と話していました。
au×Xperiaオーナーズパーティーでも
Xperiaの魅力を伝える
また、説明会場である「ソニー・ミュージック乃木坂スタジオ」では、同日、KDDIとソニーモバイルの共同企画である「au×Xperiaオーナーズパーティー」も実施。平井堅や鈴木雅之、西野カナといった大物アーティストが実際にレコーディングをするスタジオで、パーティー招待者が実際のサウンドエンジニアから話を聞きながらXperiaから再生されたハイレゾ楽曲と、前述のヴァイオリニストのAyasaさんのミニライブを楽しみました。
ソニーモバイルのマーケティング部統括部長である杉山博康氏は、「この取り組みも“ハイレゾ対応”と同じくXperiaユーザーへのロイヤリティー向上へとつながる重要な施策」と説明。他キャリアとも同様の施策は行わないのかという記者の質問に対しては、「ほかのキャリア(ドコモとソフトバンク)の協力があれば、実施したい」と回答しました。
Xperiaに限らずハイレゾ対応のスマホが増えてきた昨今。より多くの人が、表情豊かな音楽体験が手軽にできる環境になりつつあります。
WALKMAN、そしてXperia Z3から積み上げてきた(ハイレゾ音源の再生自体はZ2から対応、要USB DAC)ソニーのオーディオ技術と、SMEとレーベルゲートの制作・配信のノウハウが、さらなるハイレゾ文化の発展や他社対抗に効果が出るのか。今後の展開にも注目です。