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「シェアさせる」よりも「シェアされる」 SNS体験型イベントの作り方

2016年12月05日 23時00分更新

文●D2Cスマイル

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2015年12月、2016年2月に開催され、総来場者数が2万人を超えるほどの好評を博した株式会社カネボウ化粧品 コフレドール 「キセキの一枚」体験イベント。その第3弾として、2016年10月、「COFFRET D’OR HILLS SALON MAKE-UP&PHOTO キセキの一枚 体験イベント」が東京・表参道で開催されました。

D2C dotが携わったこの体験型イベントにおける、SNSの活用について紹介します。

体験イベントが期待するSNSの拡散力と「シェア」のハードル

表参道ヒルズに期間限定でオープンした「COFFRET D’OR HILLS SALON MAKE-UP & PHOTO」は、カネボウ化粧品コフレドールアイテムを使用し、メイクアップアーティストによるメイクサービスとプロカメラマンによるスタジオ撮影で、最上級の「キセキの一枚」をつくり上げる体験型イベントです。

イベントで撮影された「キセキの一枚」はInstagramやTwitterなどのSNSに投稿され、コフレドールのイベントで「キレイになって嬉しかった・楽しかった」経験がSNSで積極的に共有されました。

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この体験型イベントは、1年間で3度という驚異的なペースで開催されています。お客さまからの高い要望だけでなく、「イベントで体験してSNSで波及する」というスキームが成功している「手応え」が後押ししていると考えられます。体験型イベントは、サービスや商品を実際に体験してもらうことでブランド認知を深める非常に効果の高いプロモーション施策です。

企業広報戦略研究所が発表した『第1回企業魅力度調査』によると、魅力を感じる情報の伝わり方は「番組や記事」のメディアを通じた情報が41.6%と最も多く、次いで「商品やサービスを直接体験して」リアルな体験が37.4%となっています。

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TVやインターネット記事といったメディアを通じてイベント情報を提供し、イベントによってリアルな体験を提供する体験型イベントは、それぞれの情報を補完し合うことでブランド好意度を最大化することが可能なスキームと言えるでしょう。

体験型イベントには良質なブランド体験からブランド好意度の向上までカバーできる大きなメリットがある一方、イベントに参加できるユーザーは時間や場所によって限りがあります。全国各地でキャンペーンを実施したとしても、すべてのユーザーに体験してもらうことは現実的ではありません。

イベントの効果を最大化するには、イベントの認知過程においてブランドの世界観をいかに届けられるか、そしてイベントにおけるユーザー体験をいかに広げられるかがポイントです。そこで期待されるのがSNSの「シェア」による拡散力です。しかし、すでにSNS施策を実施した経験がある人ほど、「シェア」するというアクションのハードルは高いと実感しているのではないでしょうか。

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「思わず誰かに見せたくなる体験」とは

コフレドール 「キセキの一枚」体験イベントが目指したのは、Instagramを中心としたビジュアルでの拡散です。

キャンペーン応募などのインセンティブによる拡散ではなく、最上のブランド体験を提供することが、思わず「ひとに見せたくなるような」非日常の体験にもつながるのではないか

このような「ユーザー体験」を第一に考えるこだわりは、メイクアップや撮影スタッフだけではなく、ラグジュアリーなサロンを思わせるエントランスとレセプション、照明が施されたメイクアップドレッサーなど、コフレドールの世界観につながりました。

メイクアップアーティストは、メイクの悩みから肌のトラブルまで相談を受けることも多く、その高い技術と美容知識を改めて体験することで、イベントから店頭へとシームレスなブランド好意度の継続も期待されます。

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この体験イベントを通じて撮影された写真が伝えることは、美しく変わった驚きだけではありません。

最上のブランド体験を受けることによって、思わず誰かにシェアしたくなる経験を伝える「キセキの一枚」となります。その体験が圧倒的な好意をもって共感を広げ、イベントに参加していないユーザーへリーチするきっかけとなっているのです。

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また、イベントを体験したユーザーがSNSで公式アカウントをフォローしてもらうきっかけにもなり、継続的な関係構築がより一層深まることで、商品に対する親近感や信頼感も醸成されます。

イベントにおけるリアルな体験の波及を最大化するためには、拡散力の強いSNSが欠かせません。しかし、どうバズらせるかといった技巧ではなく、ユーザーの体験を良質な声として発信してもらい、「シェア」というハードルを越えるためには、「思わず誰かに見せたくなる体験とはなにか」を、ユーザー起点でいかに考えるかがカギとなりそうです。

※「キセキの一枚」は株式会社オプシスの登録商標です

(記事提供:D2Cスマイル

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