USBメモリーを差したままでも液晶を閉じられるが
SDメモリーカードははみ出す
謎の多いポータブックがなぜA5サイズなのかはこの際忘れて、A5サイズゆえ、中に入る“あんこ”のサイズが同じなら、ポータブック本体は当然ながらかなりの厚みとなる。
昨今のトレンドとは異なるが、厚みがある事は決して悪いことではなく、近頃のノートパソコンには滅多にないレガシーRGBポートが余裕でついている。
多くの企業でHDMIが普及の段階にあるとは言え、まだまだRGBタイプのプロジェクターしか用意のない会社や官公庁も多いので便利だろう。
考えればポート部分にフタが閉まるモバイルPCも、昨今ではそれほど多くは見かけない時代になってきている。フタを開けて最初に目に入ってくるのは、左側にある周囲に贅沢なスペースを使った1つのUSBポートだ。
USBポートは2.0だが、このUSBポートの面白いのは、なぜかかなり奥まったところにあり、最近の爪の先くらいのコンパクトなUSBメモリーなら、常時挿入したままフタを閉めることが可能な点だ。
筆者は32GBしかない本体のストレージメモリーの不足分を補うつもりで64GBのUSBメモリーを常時挿入しているが、安心感としては極めて大きい。
背面のポート部分をじっくりと眺めてみると、USBポート付近の余裕のスペースにレガシーで有益なRJ-45イーサネットポートがひとつあれば、HDMIポートを除いてまったくレガシーなノートパソコンの背面を見ているようなイメージだ。
余裕のUSB周りに対して、一方、余裕がまったくなさそうなのが側面裏側にあるSDメモリーカードスロットだ。デジカメなどからの画像の取り込み用に一時的に使用するということが前提なのだろう。
挿入時にもSDメモリーカード本体の3分の2程があふれてしまう。USBメモリーもSDメモリーカードも、同じ外部ストレージとして、同様のコンセプトで望むのが美しい気がする。
ポータブックも昨今のモバイルPC同様、USBモバイルバッテリーで充電可能な点はスマホのオーナーでもあるユーザーにとってはありがたいことだ。
しかし、内蔵バッテリーだけでの駆動時間が公称5時間という数値は、ポータブックの使命を前提とすれば、少し物足りない駆動時間に感じてしまう。
2万円ちょいという価格であれば間違いなく買い!
付属の専用ケースに入れて830gのポータブックを持ってみると、軽量なスマホやタブレットの軽さにマヒしてしまった昨今、超軽いとは感じないが、どことなく懐かしくうれしい厚みと質量感だ。
現在の販売価格である2万3540円が、まだ下がるかどうかは筆者の知るところではないが、タブレットユーザーが初めて買うパソコンや、モバイルPCユーザーのセカンドコンパクトモバイルPCとして狙うなら、ポータブックは絶対に間違いなく買いだろう。
残念ながら、昨今はキングジムのFacebookページにもまったく登場してこないポータブック。すでに企業的には忘れたい過去の商品になっている感もあるが、今後もパソコン分野でチャレンジするのなら、今こそユーザーの意見を取り込み、意見を未来の商品企画に活かすチャンスだと思うが、いかがだろうか?
今回の衝動買い
アイテム:「ポータブック XMC10」
価格:ヨドバシ・ドット・コムにて2万3540円で購入
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるKOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。
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