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Google モバイルファーストインデックスのやさしい解説 (1) 何が発表されたの?

文●渡辺隆広/SEMリサーチ

2016年11月09日 20時35分更新

記事提供:SEMリサーチ

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Google モバイルファーストインデックスのやさしい解説 (1) 何が発表されたの?

モバイルファーストインデックスの話についてすでに記事を書いている人は(私も含めて)いままでの Google モバイル検索の仕組みを十分に理解したうえで解説しています。けれども、検索まわりに詳しくない方は、そもそも従来のシステムを把握していませんので、評価対象が PC からモバイルに切り替わるといっても、よくわかりませんよね。

以下のスライドは、従来から私が比較的初心者のウェブマスター向けにモバイル SEO の概要を説明するときに使用していたものを、MFI 発表にあわせてアップデートしたものです。初心者向けにしては難解になっている印象もありますが、誤解なく全体的な仕組み、Google の検索の考え方を理解してもらうためです。

1. エンティティ=情報の実体単位でとらえる

エンティティ(entity)とは日本語で「実体」などの意味を持つ英語です。スライドの1枚目で説明するように、たとえば企業のプレスリリースが HTML版と PDF版の2つのバージョンで提供されていたり、あるいは大学や役所などで同じ文書が HTML版とWord版で提供されているといったことがあります。

それぞれファイルは「2つ」ですが、フォーマット違いにすぎませんから情報の数は「1つ」ですね。内容を把握するために2つのファイルを目を通す必要もありません。この2つのファイルは、同じ内容を持つバージョン違いの関係です。

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2. モバイル版とデスクトップPC版ページもバージョン(形式)違い

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この考え方を検索の世界に持ち込んだのが、Google モバイル検索です。PCとモバイルを異なるURLで提供されている場合に、「この2つのページは、バージョン違いで用意された(基本的に)同じ情報を持つページだ」と関係性を理解しながらデータベースに登録する方法をとりました。

※ バージョン違いの関係性を Google に伝えるためには、特定のアノテーションを対象ページに記述する必要がありますが、その具体的な方法は MFI の説明趣旨から外れるので割愛します

※ レスポンシブデザインや動的配信等によりPC/スマホで同一URLを利用している場合、上記関係性の話も関係ないうえに、MFIにも影響を受けません。理由は後述。




3 バージョン違いの関係で処理しておくと、検索も便利になる

「2つのページの関係性を理解する」と何がいいのか?それを説明しているのがスライドの3枚目です。両者が同じコンテンツを有するなら、基本的に同じ検索クエリで検索結果にヒットします。その時、検索ユーザーが PC なのか、モバイルなのかによって、Google がどちらか適切なほうを表示することができるようになります。たとえば PC 検索ユーザーには PC版のURL へのリンクを、モバイル検索ユーザーには モバイル版のURL へのリンクを、自然検索結果で表示することができます。

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先に述べた「バージョン違いの関係で、情報は同じ(情報単位=実体は1つ)」という考え方を取り入れておくと、検索ユーザーにとっても心地よい検索体験が実現できるのです。




4. どちらのコンテンツに目を通すか?(1998~今まで)

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以上の前提を理解していただいたうえで、本題の MFI に関係する部分。プレスリリースのたとえ話のところで「内容を把握するのに、2つのファイルに目を通す必要がない」と書いたとおり、情報実体が1つなら、Google もどっちか1つだけを評価したほうが効率的です。では、ウェブの世界で Google はどちらを評価するのか?

今まで PCが主流の時代でしたから、多くのユーザーは最初に PC版のコンテンツを見てきたことでしょう。だから Google も、こうした”バージョン違い”がある場合は、PC版のコンテンツを正=代表制がある(スライドの Primary)と判断して、デスクトップPC版のコンテンツを評価対象としてきました。一方、モバイル版ページはあくまでメジャーであるPC版の派生(スライドの Secondary)にすぎませんから、そのモバイルコンテンツは評価してこなかったのです。




5. MFIで、モバイルコンテンツが代表扱いとなり、評価される

2010年以後、急速にモバイルが普及してきて、いまや Google 検索の過半数はモバイルから検索する時代になりました。つまり、多くのユーザーは最初にモバイル版のコンテンツを目にするのです。

そこで Google も時代にあわせて、モバイル版コンテンツを正=代表制があると判断するように方針を転換して、今後はモバイルコンテンツを評価していきますと発表したのです。

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