バランス調整も含めて丁寧な作り
ジャンルは言ってしまえば、今時のオーソドックスなスマホ向けRPG。新しいステージに行くとストーリーは進むが、無理に進める必要はなく、レベル上げやキャラ育成用素材集めを行なってもいい。
デイリーミッションなど複数のミッションが並行してあり、ミッションをこなすとボーナスがもらえる。
複数のユーザーで遊べるモードや、チャレンジモードなども用意されている。中国のやっつけ的なソシャゲでは、明らかにバランス調整していないゲームもあるが、このゲームのバランスに不満はない。
基本的に無課金でも遊べるが、課金をすることでレアガチャの回数を増やしたりキャラクターの服を変えたりすることができる。
1つのストーリーの間にキャラクター同士の会話(フルボイス)と数回のザコ戦と最後のボス戦があり、各戦いで勝利すると金やパワーアップアイテムや戦闘時に共に闘ってくれる「式神」や「妖怪」を得る。
ほかのソシャゲ同様に、レアが出やすいものから出にくいものまである3種のガチャから、「式神」や「妖怪」を得ることもできる。激レアから順に「SSR」「SR」「R」「N」というランク付けがされる。
残念ながら中国でしかダウンロードできず……
10月1日からは建国記念「国慶節」で1週間休みとなるが、誰もかれも爆買いや旅行に行くというわけではなく、引きこもり2次元にどっぷりはまる人もいる。
筆者が聞いた話だけでも、声優の声とキャラコンプを目当てに数千元、数万元をガチャに投じた人がいる。
口コミで広がった陰陽師は、この週に中国のAppStoreでトップにまでのし上がった。ビリビリ動画という二次元コミュニティーでブレイクしたのだから、音楽やイラストなどの同人作品も同サイトで続々と公開されている。
今後、中国各地で開催されるコスプレ大会では陰陽師のキャラクターが数多く登場することだろう。
開発は9人で行なわれ、開発者各人に月収60ヵ月分のボーナスが出たという。とはいえこれだけの声優を使えて、これだけ違和感のない中世日本の世界を構築したのだからそれなりに開発費は使いそうだが、それを作ってしまうのが今の中国のすごいところ。
陰陽師がヒットしたのだから、第2の陰陽師を目指したゲームや、声優を大量起用した現代日本が舞台のゲーム、日本のスタッフを大量起用したゲームが出てきても不思議ではない。
中国人が音頭を取り、日本人を大量に採用した日本以上に純和風コンテンツでありながら、これまで日本の関心はほぼゼロだった。
興味が出た読者もいるだろうが、これが(基本的には)中国でしかダウンロードできないというのがなんとも不思議なものだ。まずは日本への逆上陸に期待しよう。
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