この勢いで70'sまで拡張してほしい
というわけで、シンセスタジオとしても画期的な80's Roomですが、シンセはピッチの安定したポリフォニックばかり選んでいるのは、やはりバンドユースを念頭に置いているのでしょう。
ただ、聖地・下高井戸に君臨するスタジオとしては、miniKORG、800DV、MS-20のような1970年代の機材もほしいところ。現にRhodesのStudent Modelは1960年代の製品なので、そこまでグッと拡張していただくと、なお良いかなぁと。ついでに「新しいヴィンテージ」として売りだしたminilogueや、復刻版のARP Odysseyなんかもあると完璧です。要するにコルグのシンセは全部置いてほしい。
1時間5000円からスタートと、料金がちょっと高めなのも気になりますが、これは機材をたくさん置く必要から、プロ向けのSTUDIO 2と同じ30帖の広いスタジオを使っているから。5人で2時間借りて、一人2000円。それでヴィンテージキーボード使い放題と考えれば、納得の設定ではあります。友達を増やしましょう。
いずれの楽器も常設機材としてメンテが行き届いていて、かつプロユースのスタジオらしく、それぞれの機材に合った電源が用意されています。つまり音は完璧。アナログシンセをでかい音で鳴らすインパクトは、モニターヘッドフォンとは別世界の体験です。機会があったらぜひ試してみてほしいものです。
G-Rocks下高井戸スタジオ
アクセス:杉並区下高井戸1-15-12
電話番号:03-3325-3311
営業時間や料金はお問い合わせください。
http://groks.co.jp
著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)
1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ