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グローバル展開するなら絶対押さえておきたい!海外向けSEO 5つのステップ

2016年09月14日 23時00分更新

文●Sam Gooch

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サービスやプロダクトをグローバルに展開するときに必要になるのが、海外向けのSEO。サイトを作ったものの、誰も来ない…とならないための基本的な対応手順についてまとめました。

通常、SEO対策経験が豊富であるか専門知識を持っていない限り、SEO対策は悩みの種です。ビジネスを海外展開する場合、SEO対策がプロジェクトの足かせとなります。Webサイトを母国語でない言語に最適化するのは難題ですが、幸いにも以下の手順を踏めば海外向けのSEOをうまく軌道に乗せる助けとなります。この記事では、Webサイトが海外の検索結果で上位に表示されやすくなる手順5つを詳細に説明します。

いま対象とすべき海外カスタマーの特定

海外向けのWebサイトの構築に着手したり、ビジネスの海外展開を決定する前に、現在海外の需要がどこにあるかをリサーチします。Googleアナリティクスを使って国ごとのWebサイトトラフィックを閲覧し、現在および将来的な需要がどこにあるかを調べます。GeoのLocationレポートを開き、セッション別に分類してトラフィックが発生している国を特定します。特定した国々がWebサイトやページを優先的に見せるべき対象国となります。

Google Analytics location report

Google Search Console 検索アナリティクス レポートを開き、国別にフィルタリングします。インプレッションやクリックスルー率(CTR)、検索順位のボックスをチェックします。現在クリック数やインプレッション数の多い国、検索順位が平均的にほかと比べて高い国を海外向けサイトの対象国として海外展開に着手するのをお勧めします。すでにトラクションをある程度稼げている国なら、上位の検索順位に入るのはそれ以外の国の場合よりも簡単なはずです。

Google Search Console search analytics by country

多言語展開か国別ターゲティングのどちらが良いか判断する

多言語展開するか、地理的な面からターゲット国を絞るか、どちらのほうが効果的でしょうか? 大した違いはないように思えますが、海外向けのWebサイトを構築する方法に大きく影響します。それぞれメリットとデメリットがあります。

  • 多言語展開する場合:ページを多言語に対応するように最適化すると、幅広い国の人々にWebサイトを見てもらえます。フランス語でWebサイトを作成すれば世界中のフランス語を使える人がWebサイトを利用できます。また、特定の文化や市場向けに最適化する必要がないため、より簡単にコンテンツの翻訳や作成ができます。デメリットは、コンテンツを誰にでも分かるように作成する必要があり、世界標準で使われない慣用句は使えない点が挙げられます。
  • 国別ターゲティングをする場合:コンテンツを特定のターゲット向けに作成するため、値引きやセール、その他のオファーを提供できます。また、英語ひとつ取っても、イギリス、カナダ、オーストラリア、アメリカなどの言語的な差異を気にする必要がありません。デメリットとしては対象国を1つの国に絞っているため、市場のリサーチをして特定国の購買行動向けにコンテンツを最適化する必要がある点が挙げられます。

最適なURL構造の決定

以前の記事でWebサイト構造の海外向けSEO対策を紹介しました。Webサイトを特定の地域をターゲットにして作成するにしても多言語展開するにしても、どちらの場合にも海外向けWebサイトのURL構造の選択肢は3つあります。

  • 国別コードのトップレベルドメイン(ccTLD):example.fr
  • サブドメイン:fr.example.com
  • サブフォルダー(サブディレクトリとも呼ばれる):example.com/fr/

選択肢にはそれぞれメリットとデメリットがあり「正しい」答えはありません。

ccTLD

ccTLDはまさに文字通りの意味です。ccTLDは.comや.org、.netなどの一般的なドメインではなく国別コードをトップレベルドメインとして使用します。ccTLDを使う最大のメリットはジオ・ターゲティングです。たとえば、Googleがexample.co.ukやexample.itを読み込むと、ページがそれぞれイギリス、イタリアのユーザー向けに提供されていることを認識します。実際に、ccTLDはいま紹介したような大きなヒントを与えてくれるため、異なるhreflang値に上書きできます。以下のような場合、ccTLDが最適です。

  • 実際にその国に進出している場合
  • 世界的に認知されている老舗ブランドを有している場合
  • 場所によって入手のしやすさの異なる製品やサービスを扱っている場合
  • いくつかの異なるWebサイトを構築、維持、宣伝するリソースを有している場合

ccTLDの利用を判断するにあたって覚えておくべきことがあります。ccTLDを利用する場合、ccTLDごとにSEO戦略を調査、考案、実施する必要があり、同じリンクジュースを一切利用してはいけません。ccTLDはそれぞれ要件がありますので、これらについても調査する必要があります。

サブドメイン

会社のブランドがまだ十分に世界レベルで認知されていない場合や、継続的に地域別のコンテンツを作成しない場合、言語別や国別のサブドメインを使うのがお勧めです。ジオ・ターゲティングを使ったサブドメインを作成したいなら、必ずGoogle Search Consoleのインターナショナル ターゲティングを利用します。インターナショナル ターゲティングを使うことでGoogleが確実に個々の国に対応した適切なサブドメインを使って検索するようになります。

Google Search Console International Targeting

また、ccTLDではサブドメイン間でリンクジュースや権限を共有できません。

サブフォルダー

サブフォルダーの利用はもっとも手軽な選択肢です。というのは、国や言語別にフォルダーをいくつか作成するだけで良いからです。この選択肢は次のような中小企業に特に適しています。信頼性が高く多くの被リンクを持つ会社や地域特性に合わせた製品やサービスのラインナップのない会社、リソースが少ない会社、ccTLDの要件を満たさない会社などです。

サブフォルダーの主なデメリットは、人間のユーザーから見ても検索エンジンから見てもわかりにくい点が挙げられます。たとえば、サブフォルダーの/fr/がフランスのユーザー向けなのか、フランス語が使えるすべての人向けなのかがはっきりしません。同一言語の異なるサブフォルダーを持っている場合、コンテンツの検索結果順位が間違ったものになるリスクも負うことになります(たとえば、英語での検索結果でアメリカ向けのページがカナダ向けのページよりも上位に表示されるなど)。この問題に対処するには、Search Consoleのインターナショナル ターゲティングを利用します。ただし、インターナショナル ターゲティングを利用しても人間のユーザーにとっては助けとならないでしょう。

コンテンツのローカライズ

コンテンツのローカライズは海外展開を進めるときに直面するもっとも大きな課題の1つです。単にWebサイトの言葉の置き換えをするだけでは検索結果の上位に食い込めません。検索結果の上位に入るには対象市場の実際を知っている必要があります。多言語Webサイトや複数の地域向けのWebサイトを作成する場合、ほぼその各段階で何度もこれらの課題に直面するはずです。

キーワード検索

開拓市場の対象カスタマーは現在のキーワード一覧にある言葉を検索していないことは明らかです。同じように同一の言語を話していても異なる使い方をしています。イギリス英語、カナダ英語、アメリカ英語などの違いを考えれば分かりやすいでしょう。そのため、ターゲットにしている国の言語や国別のキーワードを調査する必要があります。この作業はネイティブスピーカーが担当するのが理想的です。

  • Google キーワードプランナー:国や言語別にキーワードを選択し、対象市場で十分な検索数や検索頻度を確実に稼げるようにします。関連した言語で少しでもキーワードが分かっているなら、それらのキーワードに基づいて対象言語における別の適切なキーワードを考えます。どこから手をつければいいのか分からない場合、すでにランディングページが作成済みならそのURLを入力して候補をリストで表示させます。
  • Google トレンド:無料で役立つグーグルのツールです。ほかの言語でどのようなキーワードを使っているか、なにを探しているのかを把握します。特筆すべきは一番下にある関連クエリです。特定の対象物を検索するのに母語ではどんなキーワードを使っているかを把握できます。常に上位にある検索キーワードと最近もっとも検索数を稼いでいるキーワードの一覧を切り替えられます。この機能を使って関連キーワードに適合するようにコンテンツをカスタマイズできます。
  • SERP Checker:WooRankのProまたはPremiumプランに登録している場合、SERP Checkerは海外向けキーワード調査に最適です。このツールをAdvanced Reviewごとに最高で50のキーワードまで追跡できるGoogleドメインと切り替えて使います。同じ言語を話す国を新しく開拓するなら、現在使用中のキーワードがどのような検索順位か、Googleドメイン上で現在使用中のキーワードがどの程度検索数を稼いでいるかを把握する必要があります。現地の言語で使うキーワードをいくつか決めたら、そのキーワードをツールに追加し、十分なトラフィックを得られるかを調べます。最大で3つのキーワードの候補を試してみてそれらの検索順位やどのようなキーワードがターゲットになっているか確認します。

SERP Checker Canada

  • 翻訳ソフトウェア:グーグルBingも無料翻訳プラットホームを備えています。これらを使ってWebサイト全部を翻訳したくないでしょうが、手始めにこの機能を使っていくつかキーワードを載せられます。それから、Google キーワードプランナーを使って関連キーワードを把握し検索数を増やします。

ページ要素のローカライズ

調査が完了したら、もっとも重要なページに翻訳したキーワードを載せます。

  • URLS
  • タイトルタグ
  • メタ表記
  • 画像タイトルおよびaltテキスト
  • コンテンツ

単純に翻訳した内容をページに載せるだけでは十分ではありません。特にコンテンツはそうです。おかしな点を指摘され最終的に恥ずかしい思いをするのは自分自身です(こんな感じになるのは嫌でしょう)。現地のコピーライター(少なくともネイティブスピーカー)を雇って対象言語で売れる宣伝文句を作成してもらうのが一番です。綿密な市場調査をしたいなら、現地のコピーライターこそ現地の習慣や文化のこと、さらにはカスタマーに響くものはなにかを良く理解しています。

海外向けSEOについて論じる場合、これらのことについてよく話しますが、それはhregflangがとても重要だからです。hreflangタグをWebサイトの各言語版に入れていることを必ず確認します。こうすると、コンテンツが重複する問題を回避できます。hreflang=”x-default”を使ってデフォルトの海外向けランディングページを指定します。

翻訳以外にもWebサイトの別の部分もローカライズする必要があります。通貨や住所、電話番号、時間などの表記が必ず現地のカスタマーから見てもおかしくないようにします。EU圏で製品の値段をドル表記にしてしまったりするとカスタマーにそっぽ向かれてしまいます。

コネクションを作る

現地語で良いコンテンツをいくつか作成できたら、現地とのコネクションを作るときです。現地とのコネクションを作る方法はいろいろありますが、どれも似通っています。大きな違いがあるとすれば一度なくなったり悪くなってしまったコネクションを回復するチャンスはなかなかないところぐらいです。はじめて市場に参入するときは特にそうです。幸い、コネクションを構築する基本は昔と変わっていません。以下のようなブロガーを探します。

オンページコンテンツを作成するネイティブスピーカーを雇ったら、ブロガーへのアプローチも助けてもらいます。ネイティブレベルで言語を書くだけでもより信頼されやすくなります。この雇ったネイティブスピーカーがある分野の専門家なら、ターゲットにしているニッチ市場の現地インフルエンサーも見つけられます。

最後に

Webサイトを世界のカスタマーに最適化する現場では日々いろいろなことが起こっています。チェックリストに従えば海外向け検索結果における検索順位で優位な位置にいられるようになります。

※本記事はWooRankのSEOシリーズの1つです。SitePointでの記事公開に協力してくれたパートナーへのサポートに感謝します。

(原文:International SEO: An In-Depth Checklist

[翻訳:中村文也/編集:Livit

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