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Facebookの写真や投稿もバックアップできる

PCはもちろんスマホのバックアップも台数無制限で取れる「Acronis True Image 2017」

2016年09月14日 19時00分更新

文● 小林 編集●ASCII

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 アクロニス・ジャパンは9月14日、個人向けパックアップソフトの新バージョン「Acronis True Image 2017」を発表した。価格はパッケージ版/オンライン版の永続ライセンスの場合1台4980円から。ほかにクラウド容量と利用できるPCの台数で料金が異なるサブスクリプション版があり、1台/50GBの場合3980円から。販売はオンライン版が先行して本日から。パッケージ版の販売は10月14日からとなる。

 使用している環境を丸ごとイメージ化し、ローカルおよびクラウドにバックアップできるソフト。ベアメタル復元(元の状態に完全に戻す)と高速性を売りにしている。Windowsはもちろん、Mac、iPhone/iPad、Androidなどにも対応する。クラウド上へのバックアップはこれまで無制限だったが、使用容量に制限を付ける一方で、料金を2000~4000円ほど安くした。

料金の一覧

 なおクラウド容量を無制限で利用していた既存ユーザーのサブスクリプションの更新があった場合は、2019年1月までサポートする方針とのこと。

複数スマホのデータをWi-Fi経由でローカル保存

 WindowsおよびMacはフルイメージのバックアップと復元、増分バックアップなどに対応する。iOSおよびAndroidの場合は、写真や動画、連絡先、カレンダーなどのデータバックアップが可能となる。バックアップ/復元状況をリアルタイム表示する“オンラインダッシュボード”も特徴のひとつだ。

高速なイメージバックアップは強みのひとつ

バックアップ先はクラウド、外付けHDD、NASなど非常に柔軟

ランサムウェア対策にも有利な「Acronis セキュアゾーン」という機能

 True Image 2017の新機能としては、Wi-Fi経由で複数のモバイルデバイスのデータをWindowsパソコンにバックアップできる点がある。Windowsパソコンとモバイルデバイスが同じWi-Fi環境にあれば、自動で常にバックアップをとる。スマホ側の設定もアプリを落とし、PC上のQRコードを撮影して紐づけるだけと簡単だ。OS標準のバックアップ機能を超える細かなデータ復元機能と高速性が可能としている。また、モバイルデバイスのデータバックアップ機能はデバイスの台数制限がなくなっている。

スマホ用に専用アプリが用意されている

バックアップはWi-Fi経由で常時PC上にとれる。紐づけはQRコードで簡単にできる。

 バックアップの遠隔管理も新機能。設定変更はブラウザー上で一元管理が可能。旅行先や外出先など、近くにデバイスがない場合でも設定変更ができる。バックアップがとれたかどうかはメールで通知するようになっており、外付けのHDDが外れているなど問題がある場合でもわかる仕組みになっている。ローカル、外付けHDD、NASなど、複数の場所へのバックアップが取れる点もセキュリティー面で有利だとする。

複数デバイスのバックアップ設定の管理はブラウザーからリモートでできる

 またFacebookの投稿や写真などの増分バックアップにも対応した。標準では7日単位だが最短1日単位でのバックアップが取れる。保存する内容も写真だけ、投稿だけなど細かく設定できる。タイムラインやいいね!の数なども保存される。

Facebookに投稿した写真やコメント、いいねの数などもバックアップできる。管理はPCやモバイル機器と一括したUIで実施できる

Facebookページの復元はできないが、ブラウザー上で写真の様な形で知ることができる

 ほかにバックアップしたデータの検索速度の向上や、同社が“Dual-protection”と呼ぶ、クラウド・ローカルの両方に二重にバックアップできる機能の高速化なども新機能となっている。利用頻度の低いファイルや大容量のファイルだけを外部ドライブにアーカイブできるようになった。

単なるバックアップからデータ保護へ

 アクロニス・ジャパン 代表取締役の大岩憲三氏は冒頭、「2002年の販売開始以降、全世界で550万人が利用している点を紹介。バックアップではなく、データ保護の重点を置いている点を強調した。特にモバイル環境での即時性が求められており、単純なデータ保護(例えばアドレス帳など)だけでは十分ではない。「名刺をもらう、写真を撮る、アドレス帳に変換する。そこですべてデータが発生してしまう。最新のデータが一番重要である、最新のデータを最小限の負荷で守り、リスクを最小限に収めることが必要だ」とした。

アクロニス・ジャパン 代表取締役の大岩憲三氏

 またツールに含まれる「Acronis セキュアゾーン」がランサムウェア対策に有効である点、「Acronis Drive Cleanser」がPCやディスク廃棄時に使える点などを紹介した。Acronis セキュアゾーンとは、これはディスク上にTrue Imageからしか見えない領域(セキュアゾーン)を作り、そこにバックアップを置ける機能。ディスクを暗号化してしまうランサムウェアの被害を防げる。

Acronis True Image 2017の特徴

 料金面でも、1TBの容量で実質月額665円となっており、「オンラインストレージが月額1000円を超える単価になっていることが多く、バックアップ機能を持たない点を考えると強みである」とした。「データセンターも世界に12拠点があり、好きな場所にデータを置ける点もリスク分散という意味で重要だ」とした。

Facebookのバックアップは非常に要望の高かった機能

 Acronisの本社から来日した、Vice President兼General ManagerでGrobal Consumer Online Salesを担当しているGaidar Magdanurov(ガイダー・マグダヌロフ)氏は、Acronisが日本でのビジネスを古くから実施している点を強調。2003年にシンガポールで独立する以前の2001年、SWソフトの1部門だった時代から、販売代理店を経由して日本でビジネスを展開していた。その後、2009年には日本法人も設立している。

個人向け製品の責任者ガイダー・マグダヌロフ氏

 True Imageはもともと「高速で簡単、すべてを網羅できるバックアップソフト」として開発されたもの。この3つのポイントを中心にしつつ、モバイルデバイスを含めたマルチデバイスを網羅的に保護できる点に注力している。

 新機能のWi-Fi経由でのバックアップ機能を紹介しながら、「先日妻とニューヨークに行った際に、タクシーで携帯をなくした。4年分のすべての写真が保存されていて、嘆き悲しんでいたが、ラッキーだった。タクシーに乗る直前までMacでスマホを充電をしていたからだ。知らず知らずのうちにデータのバックアップが取れていたため。写真がすべて残っていた。しかし多くのユーザーは有線でわざわざパソコンにつなぐ人は少ないはず、無線でバックアップが取れるという点は便利であるはずだ」とした。

 また様々な地域に離れて住んでいる親戚は、ふだんデータのことはほとんど考えていないが、問題があると「消えた」と、すぐに同氏に相談がくる。場合によっては何とかしてくれと非難される点を紹介。こういったとき、オンラインダッシュボード上で遠隔地にあるデバイスのバックアップ設定も決められる、リモートバックアップ機能が便利だとした。

 さらにFacebookのバックアップについては要望が非常に高かった点を強調した。いくつかのアンラッキーな事例として、仕事の記録としてFacebookを活用しているプロの写真家が、いくつかのアルバムが消えていることに気付いたこと。ある知人は生まれてから現在までのすべての写真をすべてデータ化してFacebookに保存していたが、あるとき妹と映っている写真を見て、彼女がやきもちを焼き、ログイン中目を離したすきに、大切な写真をすべて消されてしまったことなどを紹介した。

使わないファイルはクラウドへ移動してアーカイブ

 リージョナルプロダクトマネジャーの古館與章氏は、おすすめのバックアッププランとして第1にすべてのバックアップをクラウドに保存する方法、インターネット接続があればどこでもバックアップが取れ、出張先などでの急な故障にも対応できる。シンプルだが使い勝手のいい方法とした。第2にローカルとクラウドで二重のバックアップを取る方法。「3、2、1のバックアップルールとして、常に使うストレージのほかに2つの保存先を選び、3つのバックアップを持つ。そのうちのひとつはクラウドにすべきとしてきたが、今回のバージョン12から“この機能はこの保存先”という機能制限が大幅に減り、対応しやすくなった」とコメントした。

リージョナルプロダクトマネジャーの古館與章氏

 UIについても改善。推奨設定であれば、2クリックでバックアップが始められるなどシンプルさを追求した。利用頻度の低いファイルなどを分析してクラウドなどにアーカイブする機能を持つ。データはローカルからは消えるが、エクスプローラーなどを通じて従来と変わらずアクセスできる点なども便利な機能だ。

2クリックで済むという簡単なバックアップ操作は魅力

利用頻度を確認して、あまり利用しないものだけをクラウドにアーカイブするといったことも

Macも同じようにイメージバックアップができる

 イメージバックアップはMac環境でも利用可能。特にパラレルスを使って、ウィンドウを環境も併用しているユーザーがバックアップとる場合、OS標準のバックアップ機能(タイムマシン)では毎回すべてを保存することになるが、増分だけの保存ができる点がメリットだとした。

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