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最強のウォークマン、ヘッドフォン、アンプを実機レビュー! 第1回

30万円ウォークマンは据置プレーヤー並みの高音質だった!

2016年09月12日 10時00分更新

文● 鳥居一豊

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最大11.2MHzのDSDネイティブ再生が可能に!

名称は変わらないが、新開発の「S-Master HX」

名称は変わらないが、新開発の「S-Master HX」

 ここからは注目の高音質設計について紹介しよう。フルデジタルアンプは「S-Master HX」を専用に新設計して搭載。リニアPCM(最大384kHz/32bit)、DSD(最大11.2MHz)の再生ができる。

 DSD音源はネイティブ再生が可能だが、それはバランス接続時のみ。アンバランス接続時はリニアPCM変換再生となる。

 この理由は、S-Master HXがDSD信号にほとんど加工を加えず、より純度の高い再生を行なうため。DSD信号をPWM(パルス幅変調)変換して出力するのではなく、信号そのままのPDM(パルス密度変調)のまま出力する。

 回路構成上バランス伝送に最適化されており、アンバランス出力ではリニアPCMに変換されるようだ。

 そして、CD品質の音源や圧縮音源をハイサンプリング、ハイビット化してハイレゾ音源に近い品質で再生する「DSEE HX」も強化された。

サウンド設定の画面にあるDSEE HXの項目では、オン/オフのほかに、5つのモード切換が可能になっている

サウンド設定の画面にあるDSEE HXの項目では、オン/オフのほかに、5つのモード切換が可能になっている

 従来のようにオン/オフのみでなく、スタンダード/女性ボーカル/男性ボーカル/パーカッション/ストリングスの5つのモードが用意され、音楽ジャンルや好みに応じて使い分けられるようになっている。

サウンド設定で「DCフェーズリニアライザー」もオン/オフやカーブの変更が可能。特に低音感が変化するので、好みのほか、ヘッドフォンの音質傾向に合わせて選ぶといいだろう

 このほかにも、音質調整のための数々の機能が盛り込まれる。「DCフェーズリニアライザー」は、アナログアンプに近い低音感の豊かな音を再現するもの。

 理論上、位相回転が生じないデジタルアンプの、特に低音域の位相特性をDSP演算で補正する。演算で再現される位相特性のカーブは6つあり、好みで切換が可能だ。

イコライザー調整の画面。タッチ操作で自由に音質の調整が可能

イコライザー調整の画面。タッチ操作で自由に音質の調整が可能

 また、好みに音質を調整できる10バンドのイコライザーも備える。タッチ操作で強調あるいは減衰させたい帯域を増減できるので、好みの音質調整ができ、調整した設定値は複数保存しておくこともできる。

DSD音源のゲイン設定の切り換えも、サウンド設定から選択が可能だ

DSD音源のゲイン設定の切り換えも、サウンド設定から選択が可能だ

 さらに、DSD音源をリニアPCM変換する場合のオーディオゲインの設定が可能。再生するDSD音源の音量レベルに合わせて、0dBと-3dBが選べる。

設定画面から、再生時の表示画面も切り換えが可能

設定画面から、再生時の表示画面も切り換えが可能

それぞれの画面で見た目の印象もずいぶんと変わる

それぞれの画面で見た目の印象もずいぶんと変わる

再生時のボリューム位置は常時画面の上部に表示されているが、これをタッチするとボリューム調整画面が表示される。+と-の操作のほか、ダイヤルをスライド操作で調整できる

再生時のボリューム位置は常時画面の上部に表示されているが、これをタッチするとボリューム調整画面が表示される。+と-の操作のほか、ダイヤルをスライド操作で調整できる

 ちょっと面白いのが、画面表示のスタイルを切り換えられること。基本的な画面は曲名やジャケット写真を表示するものだが、設定により、各周波数ごとのレベル変化を表示するスペアナ画面、VUメーター風の表示で左右の音量変化を表示するアナログレベルメーター画面が選べる。

 オーディオ好きにはアナログレベルメーターがぐっとくるかもしれない。フルカラー画面を活かしたシャレた演出だ。

 こうして見ていくと、フルデジタルアンプの設計をはじめとして大きく変化しているし、音質調整などの機能がより充実された印象だ。

 その代わりに、音楽再生以外の機能は潔く非搭載となっている。ネットワーク機能はもちろんのこと、動画再生機能などもない。

 音楽再生以外の機能やそのための回路をなくすことで音質への影響を抑える目的だろうし、機能を絞ることでバッテリーの長寿命化も図っていると思われる。

 ちなみに、これらの基本的な機能については、NW-WM1Z/WM1Aともに共通だ。

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