格安SIMの中でも大手であり、「NTT」の冠が付く会社のサービスである「OCN モバイル ONE」。新たな格安SIMが続々登場するなかでも、独自の存在感がある。
そんなOCN モバイル ONEが「バースト転送機能」を開始したので、いち早く試してみた。
一時的に高速通信を可能にするバースト転送
バースト転送とは何かといえば、高速通信容量オーバーになったり、高速通信モードをオフ(200kbpsになる)にした際、通信のはじめだけ一瞬高速な時間が設けられること。
たとえばウェブブラウザーで閲覧中、クリックした直後だけデータを高速で流してくれることにより、低速モードながら快適な通信ができる仕組みのことだ。
高速通信容量が十分残っており、毎月の通信量に対して余裕の使い方をしている人にはまったく関係のない話であり、低速モードながら快適といっても使い方によっては高速モードの快適さには遠く及ばないこともある。バースト転送機能の効果は実は限定的だ。
以前からバースト転送機能を搭載している「IIJmio」とそのシステムを使った格安SIMで、利用している人にとっては、機能の有効さについて議論が分かれているところ。
OCN モバイル ONEのプランに実は有効
しかしバースト転送機能は、OCN モバイル ONEにこそ欲しかった機能と考える。その理由として月間ではなく、日ごとに高速通信容量の上限のあるプランがあるのがOCN モバイル ONEで、便利な一面があるからだ。
日ごとに上限のあるプランであれば、上限の単位が小さくなり、オーバーする日も何日か出てくる可能性がある。しかし、ある日は上限に達してしまっても翌日は解除される。
一方、月単位であれば、上限に達するまでには時間がかかるが、使いきってしまった場合は翌月までずっと辛抱するか、割高な容量追加オプションを購入するしかない事態になってしまう。
そして、1ヵ月で見た場合、トータルの高速通信容量は、日ごとに上限のあるプランが多めになる。たとえば月間900円(税別)のプランは、OCN モバイル ONEでは毎日110MBで月間約3.3GB。他社は900円前後のプランはおよそ月間3GBが相場だとすると若干だが多い。
毎日一定の量を使うようなスマートフォン利用者にはトータルで量が多くなり、月末の恐怖も少なく、便利に使えるプランなのである。
そして今回、高速通信容量を使いきって低速になってしまった際でも、バースト転送機能により、不便さが少しやわらぐというメリットがでてきた。
しかも、容量上限に達するのはだいたい夜だと仮定すれば、混雑で伝送速度が遅くなる夜間帯は、高速モードと低速モードの差も小さいからだ。
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