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『魔法少女?なりあ☆がーるず』の生でアニメをつくるさまに潜入

20万円のモーキャプが、“アニメの現場を変えるさま”を体験

2016年08月16日 18時00分更新

文● MOVIEW 清水 編集●ASCII

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演技もBGMもその場で即興、トラブルもまた作品の味

 編集部はそんな、なりあ☆がーるずの収録現場に潜入。金曜夜の生配信に立ち会うことができた。なりあ☆がーるずでは、スタジオのブースに3名の声優さんが立ち、声と動きを収録していく。作品のBGMも、その背後のキーボードで内容に合わせて即興で演奏されていく。

 なりあ☆がーるずの魅力は、こういうモノを作る場所の臨場感、ある種、お祭り的な雰囲気に配信などを通じて視聴者も一体となって参加できる点。今回は撮影現場を見学させていただいた後、石ダテ監督と、KiLAのディレクションをしているcortさんにお話を伺った。

 磁気を使ったシステムの誤動作防止ということで、コントロールルーム内では携帯電話などは使用禁止(電源もオフが必須)で、大勢のスタッフがKiLAの操作やネット配信のチェックに神経をとがらせていた。途中、配信の映像や音声がでなくなったり、モーションキャプチャーの動きに不具合が出たりと、ピリピリするようなトラブルも発生したが、その対応も含めて、スタッフ・キャストが一丸となって作品作りをしているのが印象的だった。

魔法少女? なりあ☆がーるずってどんなアニメ?

 『魔法少女? なりあ☆がーるず』は、『てさぐれ!部活もの』『gdgd妖精s』などを手掛けた石ダテコー太郎監督による“新感覚ユーザー参加型生アニメ”だ。7月6日からTOKYO MX、サンテレビで毎週放送されている。

 うらら(CV:深川芹亜さん)、いなほ(CV:古賀葵さん)、はなび(CV:桑原由気さん)役のキャストが、NOITOM社のモーションキャプチャーシステム(PERCEPTION NEURON)を装着。声だけでなく、動きまで演じながら撮影する点が新しい。石ダテ監督もスタジオ内でアニまるというキャラクターの声を担当。BGMもその場で生演奏するといった形で、CGパート部分はすべてがその場で作られている。

 収録の様子は毎週金曜日にライブ配信されており、その内容を週末に編集し、放送局に納品するというお祭り的な制作形態をとっている点も魅力となる。作品はダラダラとしたアドリブ主体のトークを交えている。このトークは3Dでぬるぬる動くのに、なぜかストーリーが進む部分は止め絵のイラストになってしまうという点も斬新。

放映情報
TOKYO MX:毎週水曜24:05~
サンテレビ:毎週月曜25:35~

“普通のアニメ”ではなく、生放送のバラエティ番組を作っている感じ

――収録お疲れ様でした!! 後ろでずっと様子を見ていましたが、すっごくユニークなつくり方ですね。新しい方法への取り組む苦労はありますか?

石ダテ監督 収録風景を生配信してしまう、なりあ☆がーるずですが、実は“まったく新しい”作り方ではありません。本作の前に『みならいディーバ』という作品があって、生放送もやっていました。そのノウハウを活かしながら物足りなかった部分を改善しているんですね。

 実はこの作品、僕自身は“アニメ”だとはあまり思ってなくて、生放送のバラエティを作っているつもりでいます。その生放送で生まれたものを加工して、アニメのふりをして地上波に流してるだけなんですよ(笑)。

 感覚的に言うと、とんねるずさんが昔、番組内でやっていた、本人を使ったドラマのパロディ、あのイメージに近いです。魔法少女ものということでオンエアしてますが、魔法少女のテンプレをいかに崩してコントにするかという発想で作っています。

©なりあ☆がーるず製作委員会

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