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AMD、ハイエンドGPU「Radeon Pro WXシリーズ」を発表

2016年07月27日 21時00分更新

文● アスキー編集部

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 AMDは、世界最大のコンピュータグラフィックカンファレンス「SIGGRAPH」において、最新のコンテンツ制作およびエンジニアリング向けに、一連の新しいグラフィックス・テクノロジーとソリューションを発表した。

「Radeon Pro WXシリーズ」を発表

 最新のコンテンツ制作やエンジニアリングに対応する強力な新型ソリューションとして、プロフェッショナル向けビデオカードの「Radeon Pro WX」シリーズを発表した。

 Polarisアーキテクチャーを採用する「Radeon Pro WX」シリーズは、オープンソース・ソフトウェア向けに最適化されており、クリエイティブ・プロフェッショナルや、科学、技術、エンジニアリングの境界を広げるプロフェッショナル向けに設計されている。

 2016年第4四半期に販売開始予定で、ラインナップは以下の3製品。

「Radeon Pro WX 7100」
 設計工学やメディア、エンターテイメントのワークフロー処理に対応。プロフェッショナル向けのVRコンテンツ制作に対応した、AMDで最もコストパフォーマンスが高いワークステーション・ソリューション。

Radeon Pro WX 7100

「Radeon Pro WX 5100」
 製品開発向けソリューション。デザイン・ビジュアライゼーション分野におけるゲームエンジンの進化に対応。

Radeon Pro WX 5100

「Radeon Pro WX 4100」
 ハーフハイト設計で優れたパフォーマンスを発揮。CADプロフェッショナルの求めるミッドレンジのアプリケーション性能をスモール・フォームファクター(SFF)・ワークステーションで実現。

Radeon Pro WX 4100

「ProRender」を公式公開、「GPUOpen」イニシアチブに着手

 AMDは、同社の物理ベースのレンダリング・エンジンをオープンソース化し、ソースコードを開発者向けに公開することを発表した。これにより、ゲームやアプリの開発者はRadeonを直接制御するプログラムを作りやすくなる。

 「GPUOpen」は、開発者への支援を目的としたAMDのイニシアチブであり、コストを費やすことなく、オープンな開発ツールとソフトウェアの利用を通じて、大幅な高性能化と実物のような体験を実現する。

 その「GPUOpen」イニシアチブの一環である「Radeon ProRender」(旧プレビュー時の名称は「AMD FireRender」)を公式に公開。これは、同一のシステム上で同時に複数のGPUとCPUの演算機能をバランスをとりつつ処理できるレンダラーで、写真のようにリアルなレンダリング技術によって強化された、高性能のアプリケーションとワークフローを提供できるとしている。

 「Radeon ProRender」は、Windows、MAC OS X、Linuxの各種OSと、AMDおよび他社ベンダーのGPU、CPU、APUに対応している。

 すでに提供が開始されている「Radeon ProRender」プラグインは、Autodesk 3ds Max、Dassault SystèmesのSOLIDWORKS、Rhinoなど、一般的な3Dコンテンツ制作アプリケーションに対応しており、Autodesk Mayaについても近日対応予定という。

「AMD Radeon Solid State Graphics」テクノロジーを発表

 AMDは、大規模データセット・アプリケーション向けの新型「Radeon Pro」ソリューションの開発に取り組んでおり、まずは開発キットとして提供することを発表した。現在、開発キットの申込みを受付けており、2017年中には全面的な提供開始を予定している。

 1TBの「Radeon Solid State Graphics(SSG)」の採用により、「Radeon Pro」テクノロジーは、既存のGPUと比較して、10倍以上のメモリー容量を実装するため、大幅な高性能化が実現できる。

Radeon Pro SSG

 8K動画のリアルタイム・ポストプロダクション、高解像度レンダリング、VRコンテンツ制作、石油・ガス探査、計算工学、医療画像処理、ライフサイエンスなど、次世代のユースケースでの導入が期待されている。

 世界初となる「Radeon Pro SSG」ソリューションのデモ公開では、8K RAW動画のタイムライン・スクラブにおいて、17フレーム/秒から90以上という優れたアクセラレーションが行なわれた。

 現在、開発キットの申込みを受付けており、2017年中には全面的な提供開始を予定している。

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