3年目のレノボの海の家
今年は決済サービス導入
レノボ・ジャパン7月1日から神奈川県・由比ガ浜海水浴場にオープンした海の家「Lenovo House at Quick Silver」が報道関係者向けに公開され、「ITの力で由比ガ浜にWOW!な体験を」をコンセプトとした新たな形態の海の家が紹介された。同社の留目真伸社長は、「地域との共創として新たなプロジェクトにも発展した」と話し、海の家としての機能だけでなく、鎌倉の地域活性化にも繋げていきたい考えだ。
レノボの海の家が由比ガ浜海水浴場に登場して、今年で3年目。もともと「ITで若い人たちにもっと楽しく過ごしてもらいたい、夏の海を思い切り楽しんでもらいたいと始めた」(留目社長)レノボ・ハウスでは、同社のタブレットなどを使ってITの機能を生かした海の家として提供されてきた。
3年目となり、地元との交流も増えたことで、共同で地域活性化事業に取り組む「共創」の取り組みがスタートしたという。それがオリジナルアプリ「JOYin!」を使った鎌倉の観光情報の提供で、利用者がレノボのタブレットを使って鎌倉の観光地の情報を調べ、海水浴だけでなく、地域の観光へと繋げることを狙う。
ITの活用では、指紋認証による決済サービスを提供するリキッドの「Liquid Pay」を導入。いったん指紋と携帯電話番号を登録すれば、レノボ・ハウスでの飲食の支払いなどで現金を持たずに支払いができるようになる。Liquid Payは、長崎ハウステンボス、神奈川県・湯河原温泉エリア、東京・池袋のサンシャインシティプリンスホテルなどが参加する「プロジェクト池袋」といった活用例に加え、同社の指紋認証技術がイオン銀行に採用されるなど、利用可能エリアを拡大している。
指紋情報は、リキッドの画像認識技術によって特徴点を抽出し、そのデータだけをサーバーに登録するため、情報が漏えいしても指紋に復元はできず、今回は携帯番号以外の紐付けも行っていないという。
由比ガ浜海水浴場では、レノボ・ハウス以外にも2つの海の家でLiquid Payの支払いに対応しており、一度指紋と携帯電話を登録すれば、レノボ・ハウスを含めて対応するエリアでのキャッシュレス・デバイスレスの支払いが可能になる。
レノボ・ハウスでは、Liquid Payで支払いをすると、後日携帯番号宛にSMSで請求書が届き、コンビニエンスストアで支払いをする、というもの。ハウステンボスなどでは入場時に現金をチャージして、その枠内であれば園内で指紋を使った支払いができるが、レノボ・ハウスでは、地元民が食事だけに手ぶらで来るといったこともあるため、財布を持たずに来ても利用できるように後払い方式を採用したという(1万円まで)。
7月1日のオープンから2週間あまりで、100人程度がLiquid Payを利用しているそうで、特にリピーターの利用が多いという。ほかの海の家では、昨年が1人あたり平均2000円程度の利用料金だったが、現時点では平均で3000円程度の利用となっており、Liquid Payによって利用率も向上している。