PCゲームのダウンロード販売サイト『Steam』から、面白いゲームを発掘して紹介するレビュー連載。第38回目は、2D版ダークソウルと名高い激ムズアクションRPG『Salt and Sanctuary』を紹介する。
Salt and Sanctuaryが2D版ダークソウルと言われる所以は、ゲームシステムがダークソウルに似ているからだ。ダークソウルでは篝火にソウルを捧げてパワーアップするが、本作では塩を捧げてパワーアップする。そう、塩だ。舐めるとしょっぱいアレだ。
「なぜ塩なのか?」はストーリーで語られるとして、ゲーム自体の難易度もダークソウル並にハードであり、そのゲーム性と塩をあわせて2D版ダークソウルと呼ばれているというワケ。
ちなみに筆者は最初のステージのボスで20回くらい死にました。チクショウメ!
日本語に公式対応!
喜ばしいことに、Salt and Sanctuaryは先日のアップデートで日本語版が配信されている。
ゲームを起動後、“Options”→“Game”→“Language”→“Japanese”と選択した後、再起動することで日本語で遊べるようになるぞ。
日本語化は『Enter the Gungeon』や『Never Alone』を翻訳した架け橋ゲームズが担当しているため、その翻訳品質はバッチリだ。
参考:ASCII.jp:一瞬も気が抜けない“銃”づくしの弾幕2Dアクション『Enter the Gungeon』:Steam|発見!Steamおすすめのゲーム
コントローラーにも対応しているので、所有しているならコントローラーでのプレイをオススメする。
呪われた島で王女を探せ
プレイヤーは戦乱に明け暮れるとある王国の王女を護衛する兵士だ。船で王女を運ぶさなか、謎の敵に襲われて任務に失敗してしまう。難破した船から放り出された主人公が目を覚ましたのは、謎の島。
もしかしたら――王女もこの島にたどり着いているかもしれない。
そんな一縷の望みをかけて、プレイヤーは呪われた島を探検するのだった……。
ザコ敵にすら殺されるハードモード
というわけでプレイヤーは島を探索することになる。ゲームはいわゆるメトロイド+悪魔城=メトロヴァニアな作りであり、広大なマップを自由に移動しながら徐々に探索できる範囲が広がっていくスタイルだ。
恐ろしいのは、その難易度である。なんとその辺にいるザコ敵ですら主人公を一瞬で殺せる力を持っているのだ。
もちろん理不尽にやられるようなことはないものの、油断しているとあっという間にやられてしまう。しかもそのほとんどの状況が自分のミスだと分かるから悔しいったらありゃしない。
人間性……じゃなかった塩を捧げよ
Salt and Sanctuaryでは、敵を倒すとゴールドとソルト(塩)を落とす。経験値を入手してのレベルアップはしない。
上述したとおり、本作ではワールドに点在しているサンクチュアリにソルトを捧げることでレベルアップとスキルの獲得ができる。まさにソルトアンドサンクチュアリだ。
レベルアップするごとに必要なソルトは増えていくが、敵が強くなるにつれて入手できるソルトの量も増えていくため、そのあたりは心配しなくても良い。
むしろ心配すべきは敵に倒されたときのことだ。ソルトを、全部落としてしまう。。。
敵に倒された場合、所持しているソルトのすべてをその敵に奪われるのだ。さらに生き返る際に所持ゴールドの10分の1が失われるデスペナもある。ただ、ゴールドはどうでもいい。問題はソルトだ。
生き返った後に死んだ場所まで行き、自分を倒した敵に復讐できれば失ったソルトを取り戻せるが、もしも倒せずに再びやられてしまった場合、最初に失ったソルトは消滅する。もう一度言う。ソルトは消滅する。もう二度と取り戻せない。ついでに2度目に死んだときのソルトも落とす。
だからボスにソルトを奪われたときはもう最悪だ。次の挑戦で倒すしかない。しかし、ボスはそうカンタンには倒せない。なんたってボスだからね。よって、そのソルトは失うことがほぼ確定する。
ちなみに落下死した場合は、落ちる前にいた場所に謎の生物が出現するようになっており、そいつを倒せばソルトを取り戻せるぞ。
ボスはプレイヤー絶対殺すマン
Salt and Sanctuaryではワールドの各所にボスが配置されている。ボスを倒すと鍵を入手でき、その鍵がないと開かない扉などがあるためボスの撃破は必須だ。
ただ、さきほども書いたようにこのボスが強い。
基本的には攻撃にパターンがあるため、その攻撃をうまく先読みすればある程度は戦えるものの、ボスはHP残量に応じてその攻撃パターンを変化させてくる。
残りHPが2割を切ったときはプレイヤーを確殺できるコンボを繰り出してくるようになり、ワンミス=ソウル全損の厳しい状況に追い込まれてしまう。
ボスごとに特徴もそれぞれ異なるため、ワンパターンな戦略も通用しないぞ。
装備を強化せよ
そんな強力なボスたちに勝つためには、ソルトとゴールドを使った装備品の強化が重要だ。
Salt and Sanctuaryではサンクチュアリに鍛冶屋を呼び出し、そこで装備品の強化ができる。装備品はマップ上の宝箱から入手したり、商人から購入したりできる。このほか、強化に必要な素材は数がいるためその多くをゴールドで購入することになるだろう。
そのうえで、ソルトを捧げるのだ。そう、装備品の強化にもソルトが必要だ。
さらに強力な装備品にはそれぞれ装備するために必要なスキルがあり、こちらもレベルアップで取っておかなければいけない。最初のキャラクター作成で選んだ職業にあわせて計画的にスキルの獲得と装備の強化を行っていこう。
さもないと、つねに一撃でやられてしまうオワタ式(※1)プレイでやることになるだろう。
※1.操作キャラクターが一度でもダメージを受けると即死となる状態でゲームをする縛りプレイの一種(ニコニコ大百科より)。
非同期オンラインやローカルマルチ要素も
そのほか、Salt and Sanctuaryには非同期オンラインの仕組みもある。ゲームを遊んでいると、ところどころにボトルメッセージが落ちている。
じつは、これは元から用意されているもの――ではなく、ほかのプレイヤーが残していったものだ。
このボトルはアイテムを使用することで置くことができ、あらかじめ用意されている単語を選ぶことでほかのプレイヤーに対してメッセージを残せるのだ。すぐ近くにある罠を教えてくれたりヒントになるものが多い。
自分でプレイしてちょっと困ったところがあったら、ほかのプレイヤーのためにボトルを残してみよう。
また、ゲームをある程度進めるとローカルならがも2人Co-opができるようになる。さらにアイテムを使用すればPvPも可能だ。Salt and Sanctuaryは先読みが重要なゲームのため、友達との読み合い勝負は楽しいことだろう。
ダークソウルが好き、激ムズゲームが好きという方はぜひ遊んでみて欲しい。
Salt and Sanctuaryの推奨動作環境は?
推奨システム要件を見ると、GPUはGeForce 9600 GTもしくはRADEON HD 5000以上となっている。2Dということもあり負荷は低めだ。
ただし、Core i7-3770(3.4GHz)、GeForce GTX960を搭載するゲーミングPCでは、ほぼ上限の60fpsに張りつくが、敵が多く出現したり、エフェクトが多用されるシーンだと46fpsまで瞬間的に下がることがある。現行のミドルクラスのGPUは欲しいところだ。
『Salt and Sanctuary』
●Ska Studios
●1780円(2016年5月18日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows、Mac
ジャンル アクション、独立系開発会社、RPG
© 2013-2016 Ska Studios LLC
■著者:篠原修司
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: KiDD
・Twitter:@digimaga
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