今回のことば
「システムをお守りするシステムインテグレータではなく、社会課題を解決するエコシステムを提供する会社になりたい」(日本ユニシスの平岡昭良社長)
新社長は会社の部内を渡り歩いた人物
日本ユニシスの社長に、4月1日付けで平岡昭良氏が就任した。1956年、石川県出身。「北陸新幹線ができて地元に帰るのは便利になったが、地元の名産であるノドグロの値段が高くなった」と笑う。
1980年に早稲田大学卒業後、日本ユニバック(現日本ユニシス)に入社。1年半はSEだったがその後営業部門に異動し、様々な業種、業界での営業を経験。2002年にはビジネスアグリゲーション事業部長に就任し、新規ビジネスの創出に携わった。さらに2005年からは3年間に渡りCIOに就任。その後、事業部門責任者として最前線の営業、SEの陣頭指揮を執った。2012年からはCMOとして同社のマーケティング機能の強化に尽力。2016年4月に社長に就任した。
日本ユニシスのあらゆる部門を経験しての社長就任。「ロボットが好きで、社員と一緒にロボットを作ることもある」と話す。
異業種をつないで社会問題を解決していく
中期ビジョンで掲げたのは「ビジネスをつなぎ、サービスを動かす。ICTを刺激し、未来をつくり出そう」。平岡社長は「この考え方のベースはビジネスアグリゲーション事業部長時代に得た、ビジネスを集めることで新たなサービスが創出できるという経験。だが、当時は時代が早すぎて総論はいいが、各論では課題があるという声が多かった。それがいまでは技術進化やインターネットおよびクラウドの広がりによって、ビジネスをつないで未来の当たり前のサービスを創出できる時代がやってきた。これからの社会課題はひとつの企業では解決ができない。異業種の企業同士がつながることで社会問題を解決していく。日本ユニシスは、それを推進する役割を担う」と語る。
コーポレートステートメントは「Foresight in sight」とし、Foresightによる「先見性」とともに、in sightには「見える化」と同時に、Insightによる「洞察力」の2つの意味を持たせ、「先見性でいち早くキャッチしたお客様や社会の課題を、経験や常識にとらわれない洞察力で深く理解し、知恵や発想、ICTを組み合わせて、お客様に最もふさわしい形のソリューションやサービス、そして業界を越えたビジネスエコシステムをつくり出そう」とした。
ここでもエコシステムの重要性を打ち出し、それを日本ユニシスが目指す姿とした。
だが、こうも語る。

この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ







