日立マクセルは6月9日、ハイレゾ対応ヘッドフォン「MHX-MD5000」を発表した。6月10日発売予定で、予想実売価格は4万円前後。
密閉ダイナミック型のオーバーヘッドタイプのヘッドフォン。直径45mmの大型ドライバーを採用する。
「ベリリウム」という金属でコーティングを施した振動板を採用しているのが最大の特徴。ベリリウムは高域の音の伝播速度が速く、高い周波数の音の再現性に優れている。どれくらい速いかというと、マッハ1の約36倍とのことでパッケージには「マッハ36」という表現が使われている。
また、硬い金属なので振動版が変形せず、余分な分割振動を抑制できる。さらに、重量が軽くレスポンスが良好なほか、内部損失が高いことにより共振を抑え、音の濁りが少ないという特性もある。
ちなみにチタニウムと比較すると、速さや硬さはだいたい2.3倍にもなるという。
ハウジング部は2層構造のデュアルチャンバー方式となっており、振動効率を高め、高精度なコントロールが可能となる。
イヤーパッドには低反発素材を採用。耳の凹凸にフィットして気密性を高めている。
ケーブルは着脱式で、バランス駆動用のケーブルを装着することもできる。
同社ライフソリューション事業本部 マーケティング事業部 事業企画部 課長の沢辺 祐二氏によれば、同社が本格的なヘッドフォンをリリースするのは約10年ぶりになるとのこと。近年はイヤフォンの開発に傾倒していたが、音響メーカーとしてはやはりヘッドフォンは必要と考え、今回の製品開発に至ったという。
そして、今後も金属コーティングの振動板を使用した製品のラインナップを増やしていくとのことだ。
なお、同社は6月11日の午前11時から、e☆イヤフォン秋葉原店にて店頭試聴会を実施する。興味のある方は足を運んでみるといいだろう。