ステレオカメラも距離センサーも不要。自律自動車やグーグルProject Tangoの強力な武器になるかも
東芝、単眼レンズカメラで「画像と距離」を取得する技術
2016年06月09日 16時33分更新
東芝は6月9日、単眼レンズで撮影した画像からカラー画像と距離画像を取得し、ステレオカメラ並みの距離検出を可能とする技術を開発したと発表した。
レンズ開口部に水色と黄色のカラーフェルターを装着すると、撮影された被写体は距離に応じてボケと色ズレが生じる。このボケ具合と色のズレを画像解析することで、1枚の画像からでも被写体との距離が分かる。フィルターを通しても画像は大きく劣化しないので、補正することで通常のカラー画像も同時に撮影できるという。
距離が分かる撮影としてはレンズ2つを用いるステレオ写真があるが、単眼レンズで分かるためシンプルな構成で済む。また、距離計測技術としてはミリ波レーダーやレーザー距離計、超音波センサーなどがあるが、これらの技術と比べても単純・小型なシステムで済み、距離と画像を同時に取得できることからさまざまな応用が可能という。
同社では、カメラの小型化や画像処理の高速化などを行ない、早期の実用化を目指すという。