どもどもジサトライッペイです。インテルはリアルタイム解析やミッションクリティカル向けの超高性能CPU、Xeon E7シリーズの最新モデル『Xeon E7 v4シリーズ』(開発コードネーム:Broadwell-EX)を発表しました。Broadwell-EPは14nmプロセスにシュリンクされ、最大SKUは24コア/48スレッド動作です。
現在判明しているSKUは8ソケット運用向けのE7-8800シリーズが7つ、4ソケット運用向けのE7-4800シリーズが4つの合計11モデル。最上位のXeon E7-8890 v4は24コア/48スレッドでL3キャッシュ60MBと、前世代(開発コードネーム:Haswell-EX)のハイエンドであるXeon E7-8890 v3(18コア/36スレッド、L3キャッシュ45MB、TDP165W)から大幅にコア数が増えておりますが、TDPは165W、価格は7174ドル(日本円換算:約76.8万円)と据え置きです。
また、メモリーは新たに3DS LRDIMMに対応し、128GBモジュールでの検証も済んでいるとのこと。これにより24TB運用も可能となり、前世代の2倍のメモリー容量が使えます。NUMAアーキテクチャーで使える“Cluster on Die”(COD)にも対応(最大4ソケット)。
この超高性能なXeon E7 v4を搭載するシステムを使って、電力網やネットワークトラフィック、銀行系、交通系などリアルタイム監視で効率化が図れる様々な問題を解決していこう、というのがインテルの主張です。
そもそも、下位のXeon E5との違いはどこか? それは役割です。
インテルはXeonの種類をだいぶ増やしてきましたが、上記のような役割分担を想定しています。まず、インメモリーデータベースなど、サーバー単体の性能が重要になってくる“スケールアップ”用途にはXeon E7。ビッグデータ解析やモデリング/シミュレーション、機械学習/ディープラーニングなど、サーバーの数を増やして全体性能を上げる“スケールアウト”用途には、Xeon E5やPhiなどです。
サーバーやデータセンターは運用コストが重要な問題です。扱うデータやその運用方法によって、最適なバランスを見定めなければ無駄なコストがかかってしまいます。また、IoT機器がどんどん増える中、中央装置としての役割は今後も増大していく見込みです。消費電力と導入コスト、故障などに対するサポートコスト、処理性能のバランスを見極め、最適な運用を考えなければなりません。
IBM Power 8(IBM Power E870)との比較では、最上位のXeon E7-8890 v4を搭載したマシンは1.4倍性能が高く、消費電力は半分、コストは10倍良いとインテルはうたっています。もちろん、これはある一定の指標で動かした場合の話なので、必ずしもあらゆる分野の使い方でこの差になるというわけではありませんが、データセンター運用に係る方は無視できない差になると思います。