劣化が実感できない音に驚き
MUC-M2BT1が対応するBluetoothのコーデックはSBC、AAC、aptX、LDAC。このうちLDACはソニーの独自規格で、再生装置側も含めて対応している必要があり、試聴用にLDAC対応のウォークマン「NW-A25HN」をお借りしました。
まずはClearAudio+、DSEE HXなどの音質設定はすべてオフにして、XBA-300で有線接続の音を確認。XBA-300は解像度も優秀で好きなモデルですが、最近はスマートフォンでしか使っていなかったせいで、改めてウォークマンの出音の良さに感心してしまいました。本題とは関係ありませんが。
次に無線接続で。同じXBA-300をMUC-M2BT1に装着し、LDACの音質を確認。LDACには音質モードとして、音質優先モード(990kbps)/標準モード(660kbps)/接続優先モード(330kbps)があり、これをウォークマン側で選択できます。
96kHz/24bitの伝送が可能という音質優先モードでは、有線に比べてノイズや歪みが増える、高域が減衰する、解像度が落ちるといった、明らかな音の劣化は感じられませんでした。また、はっきりとわかるのは、ほかのBluetoothレシーバーと比べてノイズが低いこと。この点で、ほかのBluetoothレシーバーに対するアドバンテージは非常に高いと思います。
難を言えば、まれに音が途切れること。これはビットレートが高いのでやむを得ないところで、電波状況にもよるでしょう。その場合、ハイレゾ音源をハイレゾで聴こうと思わなければ、LDACのモードを低いビットレートに落とすことで緩和できます。
そして、LDAC非対応の再生環境として、私物のiPhone 5cでも試してみました(最新でもメジャーでもない機種でスミマセン)。内蔵の「ミュージック」アプリで256kbのAACを再生し、同じように無線と有線の違いを確認しましたが、これもはっきりとわかる違いは感じませんでした。
むしろ平均的な音圧の高い音源では、MUC-M2BT1でつないだ方がクリーンに感じられる場面も。これはiPhoneのヘッドフォン出力より、MUC-M2BT1の方がXBA-300との相性が良いということかもしれませんが、いずれにせよ劣化が実感できなかったのは驚きです。