米HPは5月19日、従来型3Dプリンターに比べて10倍の速度と半分のコスト、カラーにも対応する新たな3Dプリンティングソリューションを発表した。
「HP Multi Jet Fusion technology」と呼ばれる技術で、インクジェットプリンターのように液状の素材を噴射し、熱で硬化させる技術と思われる。従来の熱溶融積層方式(家庭用として販売されている一般的な3Dプリンター)よりも10倍高速、粉末焼結積層(製造業など業務用途で用いられている方式)の半分以下のコストで済むとしている。
同社の得意とするインクジェットプリンター技術を使っているだけあって、解像度は1200dpi(平面方向)と非常に細かな造形が可能。また、噴射するインクをドット単位での彩色や、異なる素材(軟質樹脂/硬質樹脂など)にも容易に対応できるという。
「HP Jet Fusion 3D 4200 Printer」と「HP Jet Fusion 3D 3200 Printer」の2モデルが用意され、制作可能なサイズは幅406×高さ305×奥行き406mm。解像度や本体サイズは同一ながら、4200のほうがより縦方向の解像度を高く、印刷速度も速い。サイズは幅2178×高さ1238×奥行き1448mm、重量は約730kg。
価格は3200が13万ドルより、製造業向けのコントローラー「HP Jet Fusion Processing Station」は15万5000ドルより。さらに、各種システムが一体化された「HP Jet Fusion Processing Station with Fast Cooling」なども用意される。
米国では注文受け付けを開始しており、2017年後半には日本でも展開するという。HPでは、BMWやナイキとパートナーシップを結んで製造現場における普及を推進するとしている。