電力自由化の新規参入会社紹介の11社目は、H.I.S.グループの電気プラン。H.I.S.といえば格安な旅行パッケージを販売する旅行会社。旅行する際には候補の1つとしてH.I.S.のツアーを検討することも多いだろう。
電力自由化においては、H.I.S.のグループ会社である長崎県のハウステンボスから誕生したHTBエナジーが提供する「たのしいでんき」を活用し、一般家庭への電力提供サービスを行なっている。それではH.I.S.グループの電力サービスを紹介しよう。
ハウステンボスの理念から生まれたHTBエナジー
創業当時から自然が豊かな街作りを提案してきたハウステンボスが、スマートシティー実現のための発電事業を行なう会社として創設したのがHTBエナジーだ。発電環境は九州の地熱発電や、太陽光・風力などの再生可能エネルギーなどによってクリーンな電源構成を目指している。
H.I.Sグループでは、H.I.S.とハウステンボスの2社が窓口となり、HTBエナジーと契約、電力を供給する。ハウステンボス発というと、九州のみのサービスのように思われるかもしれないが、提供エリアは北陸・四国・沖縄を除く地域となっており、国内の多くの地域で契約することができる。
わかりやすい電気料金は一律5%割引
基本料金や段階別料金などを使用量に応じて割り引く電力サービスが多い中、「たのしいでんき」はとてもわかりやすい一律5%の割引となっている。
電気料金は、各地域の電力会社によって、基本料金の有無や段階別料金などが異なるが、「たのしいでんき」では、どの地域に住んでいようが、その地域の電力会社の料金から5%を引くというモデル。例えば月額1万円支払っていれば500円を割り引くという形で、どのプランがお得なのかということを考える必要はなく、非常にシンプルなサービスとなっている。
H.I.S.とハウステンボス
どちらから契約するかによって異なる付加サービス
窓口となっているH.I.S.とハウステンボスでは両社とも「いいチェンジ」という名称で電力サービスを行なっているが、どちらから契約するかによって、付加されるサービスが異なる。H.I.S.であれば旅行代、ハウステンボスであれば入場料のサービスが受けられる。
H.I.S.では電気サービス申し込み時に電子クーポンが発行される。これを使って旅行をオンライン予約すると、海外ツアーで2000円、国内ツアーで1000円が割り引かれる。
この割引は海外が5万円以上、国内が3万円以上のツアーが対象で、電気サービス申し込みと同時に行なわなければならない。また、キャンペーンは5月末までなので注意したい。
ハウステンボスで電気サービスを申し込んだ場合は、ハウステンボスの入場料と年間パスポート料の割引優待券(1年間有効)がもらえる。入場料は500円、年間パスポートは1000円の割引だ。
H.I.Sグループの電気サービスの付加サービスは、有効期限があり、契約時のみなので、現在発表されている内容としては、継続して契約した際に同様のサービスを得られるかどうかは不明となっている。
しかし、料金については必ず5%安くなる。他社でのシミュレーションと比較して、安くなる金額が5%に届かない方にはこちらのほうがお得だ。また、プランによっては高くなる可能性があるということはないので、現状の使用量だと、他社のサービスでは高くなってしまうという方には有効なサービスだ。
次回は、東急パワーサプライの電気サービス「東急でんき」について解説する。