機能満載でデザインにも本気を出したウェアラブルデバイスがやっと日本でも発売する。
フォッシルは活動量計「MISFIT RAY」を5月27日からAmazonや一部家電量販店で販売を開始する。予約受け付けは5月13日から。
MISFITとしては、Fossil Group, Inc.の傘下に入ってから初めて市場に投入した製品であり、2016年1月に発表したもの。トレードマークともいえる円形の本体ではなく、円柱を採用。腕時計やバングルなどのファッションアイテムとのコーディネートを意識したミニマルでシンプルなデザインに仕上げたという。
スポーツバンドとレザーバンドの2種用意し、価格はそれぞれ1万3824円と1万7064円。
デザイン性を重視しながら、MISFITが持っていた優位点も失われておらず、充電なしで最大6ヵ月使用可能、50m防水も従来のモデルと同じ。当然歩数や距離、カロリー、睡眠の状態も計測できる。
シンプルな製品にするために複雑を克服した
MISFIT創業者であるサニー・ヴー氏はまずFossil Groupに入ったことについて「はじめて会ったときに恋に落ちた」と表現する。「MISFITはファッションを愛するテクノロジー企業でFossilはテクノロジーを愛するファッション企業。グループになり、アルマーニやディーゼルと肩を並べることができてうれしく思っている」と語る。
新製品のMISFIT RAYについては「本当に美しい」としながら、開発の経緯を話す。
「はじめに考えたのは時計と一緒に着けられる製品を開発したいということ」。手になじむような温かみを感じさせる素材を選び、16にもおよぶデザインパターンを作り、また中にすべての機能を詰められるように、筒型のデザインも7パターン作る。
電池は最大6ヵ月を維持しながら大きくなり過ぎないことを目指し、仕上げはゴージャスに見えるようにしたという。そのほかLEDライトの位置、バンド、カラーなど、さまざまな面でパターンを研究し、MISFIT RAYにいたったそうだ。これだけデザインにこだわりながら、MISFITの利点を保っているのだから、隙がない。
サニー・ヴー氏も自信をもって「実際の製品はシンプルだが、そこにたどり着くまでに大変な労力があった。シンプルというのは複雑を克服することだった」と話す。
機能にもおもしろさが見える。
MISFIT LINKアプリを使ったリンク機能を使えば、MISFIT RAY側からのスマホ操作が可能。本体をタップして、スマホのカメラのシャッターを押せて、音楽の再生もできる。特殊な例だとスマホの着信をわざと鳴らせる。
つまり、上司にこっぴどく怒られているときに、こっそりMISFIT RAYをタップすればスマホの着信音が鳴り、「すみません、電話が!」といって都合よく脱出、ということもできるだろう。
テクノロジーを手にしたFossilがウェアラブルを提案していく
MISFITを買収したFossil Groupは世界150ヵ国で販売し、直営店は600以上。19のブランドを展開している。時計が主な商材だが、ハンドバッグやジュエリー、アクセサリーも取り扱っている。時計の生産本数は世界4位、販売数は世界1位という巨大なメーカーだ。
買収の大きな意味として、MISIFITを展開ブランドのひとつにしたかったことに加え、「技術力に注目した」とFossil Japan Inc. 代表取締役社長 木村信也氏は話す。
「MISFITの技術力、プラットフォームをほかのブランドにも展開していき、ファッション力とテクノロジー力を合わせていく。MISIFIT RAYはその第一弾。今後グループからはMISFITを生かした製品が出てくるだろう」とし、ウェアラブル製品を提案していくと宣言した。