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CES ASIA 2016レポート

展示面積を2倍に急拡大 勢いにのる中国版"CES"が開幕【大手企業ブース編】

2016年05月12日 17時15分更新

文● イトー / Tamotsu Ito

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 毎年1月に開催される世界最大級の家電展示会「International CES」のアジア版「CES Asia 2016」が5月10日、上海で開幕しました。
 2回目の開催となる今年は、好調な出展を反映して展示面積を昨年から2倍に拡大し、今年は展示面積3万2000㎡に。これは、幕張メッセ換算で4ホール分程度の面積ということになります。開催2年目にしてこの実績は"CES"の看板の面目躍如といったところですね。。

 規模以外に本家CESとの違いを感じるのは、グローバルプレイヤーや総合家電メーカーのブース出展がまだ少ないこと。開催2年目だという部分も多分にあるのでしょうが、自動車関連メーカーがメルセデス、BMW、ボルボ、シボレー、パイオニアなどの世界に名だたるメーカーが出展する一方で、大手テクノロジー/コンシューマー系メーカーはインテル、Huawei、Garmin、オーディオテクニカ、HiSenceといったところ。サムスンやLGの姿はまだありません。

 とはいうものの、昨年の参加者から聞く「こぢんまりした印象」という感覚はなく、今年を見る限り熱気は十分。中国市場は単独でも大きな市場なわけですから、出展企業各社が中国にかける思惑が垣間見えるような展示といえるんじゃないでしょうか。現地で目についた出展をざっと見ていきましょう。

会場のすぐ外にあるフラッグ。Galaxy S7の看板が出ているということは、中国市場に興味はあるハズなのですが・・・。

Windowsノート「MateBook」が注目集めるHuaweiブース

 初日のキーノートスピーカーをつとめたHuaweiブースは、基本的にMWC2016やCES2016で発表済みのものを展示。とはいえ発売間近のWindowsノート「MateBook」はなかなかの注目度で、しばらく待たないとデモ機が触れないというような状況。

 ほかには4月に発表されたライカレンズ搭載のデュアルカメラスマホ「Huawei P9」や、CES2016で発表の「新Huawei Watch」など、ここまでの新製品ひととおりを見せる形の展示風景でした。

2月のMWC2016で発表済み。とはいえバルセロナまで行けなかった多くの人にとってはここで見るのが初めてなわけで注目度は高かった。

カバーをたたんだところ。iPad Proを意識しているのは一目瞭然。ちなみにキータッチは薄さ優先といった感触。

上下ボリュームボタンの真ん中部分のくぼみが指紋センサーというのがユニーク。

グレーモデルの展示もあり。両モデルともペンの感触を試す人多数。

中国内では使えないのにTwitterブースが!?

そこそこの面積で展示していたTwitterブース。チラシの配布と、ブース内ミニステージでの演目が中心。

 中国はTwitterやGoogle検索が規制されていることは有名ですが、会場にはTwitterブースが。会期中にはTwitter社によるカンファレンスもあり、Twitter社として中国を大事な市場とみているのは間違いありません。
 それにしても使えない中国に出店する理由は・・・・・・とブースを訪れてみると、配布していたのはTwitterの広告活用の学習プログラム「Twitter Flight School」のチラシ。

 たとえ国内で使えなくても中国企業がTwitterを活用して世界に向けてプロモーションに使うのは当たり前にあり得るでしょう、というわけです。
 聞けば、昨年も同様にBtoCチャネルとしてのTwitterという趣旨で出展していたということで、しばらくはこうした形での中国付き合いが続くのでしょう。

中国でもIoTとコネクテッドデバイスの推進に重点を置くインテルブース

本家ラスベガスのCES取材が年中行事のイトーとしては非常に既視感のあるモニュメント。CES2016で使われたものと同じですね。

 初日夕方に開催された基調講演では、Iris Proのパワフルなグラフィック性能をアピールするゲーミング用途と、IoT向けのSoCであるCurieモジュールやRealSenceカメラの開発事例が中心だったインテル。PCの姿がほぼ見えないのはここ数年に珍しいことではなく、ブースの展示趣旨も今年1月のCES2016と似ています。

 CES Asiaでのブースの目玉は、レノボが参考展示したCurie採用のスマートシューズ(動きに合わせて靴底が光り、靴の動き自体もCurieの加速度センサーなどで感知)、RealSenceカメラで人を識別して自動追尾してくるドローン(CES2016で発表済み)。ドローンは屋外の飛行スペースでの体験デモができるようですが、機材調整中なのか原稿執筆時点では体験できていません。

Yuneec社のRealSenceカメラ搭載ドローン。ボディ下部にぶら下がっているのは撮影用カメラ。その少し上に付いている二眼カメラが識別に使うRealSence。

RealSenceが見ている映像のデモ。二眼のため奥行きまでとれる精度の高い認識ができる、というのがRealSenceのウリです。

インテルの基調講演のゲスト登壇者だったレノボが参考出展したスマートシューズ。光るスマートシューズは国内ベンチャーnnf社も開発していますが、レノボの作りの良さもさすが。

海外自動車メーカーが大規模ブースを展開

 去年に引き続き、存在感を放っていたのが自動車メーカーの各社ブース。といっても、中国ローカルや韓国メーカー、そして日本メーカーの姿はありません。積極的な出展姿勢を見せていたのは、メルセデス・ベンツ、BMW、ボルボ、シボレー。そして、自動車関連企業であるパイオニアです。

 

パイオニアのアメーバシステムの展示。中国ではGoogleMapも使えないため、スマートカーナビならバイドゥと組むということですね。

 すべてのメーカーがEVやハイブリッドを中心とした車両展示というのは、本家CESと同じ傾向。特にBMWは場外にも高級ハイブリッドスポーツカー「BMW i8」を大量に用意していました。
 パイオニアは主にHUDデバイスやナビゲーションの展示。バイドゥのマップデータを使ったナビゲーションに、自分が運転しているEVの航続可能範囲を表示する「アメーバーシステム」の参考展示は目を引きます。中国は深刻な大気汚染を背景に、政府主導の国策としてEV推進の姿勢をとっています。2020年までに500万台の普及をめざすという方針をメーカーとしてとらえていく姿勢だと感じます。

■関連サイト
CES ASIA 2016公式サイト(英語)

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