ネットスラングで「猫」が「ぬこ」になった理由なのかも(違うかも)
"猫"が"ぬこ"になった理由!? キーボード右側にある文字を含む単語が好印象「QWERTY効果」
2016年04月22日 16時00分更新
キーボード右側にあるアルファベットを含む単語のほうが好まれる「QWERTY効果」(QWERTY effect)に関する証拠とされる論文が発表されて話題を呼んでいる。
QWERTY効果は右手で打てるキーにある文字が多い単語のほうが好まれるというもので、しばらく前から仮説として唱えられて心理実験などが行なわれていた。
今回の調査はオンラインデータを集計・分析したもので、アマゾンやYouTube、Yelp、Rotten Tomatoes(映画批評サイト)、BookCrossing(書籍サイト)などから商品名や書籍名、映画タイトルなどとその星の数を拾いだして分析。QWERTY効果のとおり、右側にあるアルファベットを含むタイトルと評価にはある程度相関していたという。なお、研究者は調査手法とデータをすべて公開しており、他者による自由な検証を可能としている。
QWERTY効果の理由は不明で、キーボードで入力する際に右利きの人では単語を打ちやすい/英語の母音で多用するIやO、Yが右にあるからなどと推測されているが、決定的な理由としてはやや弱い。
なお、QWERTY効果とは別の心理効果報告としては、人は右のほうがプラスの印象を持つという仮説が唱えられている。例えばiPhoneや各種アプリの多くは右方向へのスワイプが『進む』で、左は『戻る』となっておりプラスとマイナスの意味合いを持つ(スマホ操作では右利きの人が『引き寄せる』という意味合いもあるはずだが)。またゲームにおいては基本的に右方向が『進む』(スマホ操作やゲームに関しては、英語の本のページめくりの方向から来ているのではないかという説もある)。
さらに、右方向がプラスの印象を持つのかどうかを疑問を抱いた心理学者がさまざまな映画で確認したところ、多くの映画では主人公(善玉)と悪役が対峙する際、主人公は観客から見て左にいて右を向いているという。走る際も右に向かう構図が多く、右に対しては「進む=肯定的=プラスの印象」な心理は普遍的にあるのかもしれない(コミックにおけるページめくり方向を意識した構図の作画とも関係しそうだが、日本のマンガとの対比は検証されていない)。
ともあれ「QWERTY効果」、英語圏だけなのか日本語においても通用するのか、どれだけの根拠と心理学的効果があるのかわからないものの、興味深い現象と言えよう。