キーボード入力やスタイラス筆記以上に、紙にペンで描く古典的“手書き”大好き人間の筆者は、年に数回ほど「手書き」とか「スマートペン」とか「クラウドキーボード」とか、その手のかなり怪しいキーワードで商品検索をかけている。
そんなある日、「Neo Smartpen」(以降:ネオスマートペン)という名前の“北欧の長老”アノトの孫みたいなスマートボールペンによく似たアイテムを発見した。
昨今では通称「スマートペン」という呼び名が一般的なのかどうかは知らないが、手描きのアナログ文字がデジタル化されて、それがクラウドサービスに保管されたり、複数の人で共有できると聞けば、筆者としては買わないわけにはいかない。
考える心の余裕もなく脊髄反射的衝動買いしたのが、今回ご紹介するネオスマートペン。韓国に拠点を置くネオラボの商品だ。
最近元気のないスマートペンに気になる新製品
コンパクトなパッケージを開けると、製品保証書、ネオスマートペン本体、ユーザーズガイド(日本語を含む)、充電用USBケーブル、ボールペン・リフィル、TIPSシート、専用メモなどがいろいろ出てくる。
この15年ほど、1年間おきくらいにはスマートペン系製品が登場しては消えてゆく感じだ。スマートペン系は大きく分けて2つの方式がある。簡単に言ってしまえば、普通の紙やノートを使うタイプか、専用の特殊な印刷処理をした専用の紙を使う方式のどちらかだ。
まれに例外はあるが、基本的にはいずれの方式であっても、たいていは特殊な仕組みの専用ボールペンを一緒に使うことが一般的だ。
前者のように街で買ったお気に入りのノートや紙を使えるタイプは、専用のクリップボードや下敷きなどを使うことが多く、よく考えたら普通なのは紙だけになってしまうことが多い。騙されたと思うか、まだまだ未完成のテクノロジーを楽しむかは個人の度量によるところが大きい。
後者は特殊な専用紙で作ったメモやノートを使うタイプ・北欧メーカーのアノトの技術が歴史も長く有名だが、技術的評判とは関係なく、個人的感覚では、この15年ほどは極めて低迷を続けている。
もちろん、前者のタイプもお世辞にも売れているとは言えないくらいの数字であることだけは確かだと思う。
要は、時流に乗るために無理やり名付けた“スマートペン”というジャンルは、未来はありそうだが、現在のところはスマートウォッチよりもICT産業の中では“あかんジャンル”の最右翼商品でもあるのだ。
筆者はこの15年間くらいの間に世界中で売られていたこの手の商品はすべて買って遊んだのでまず間違いないとみている。
スマートペン=アノトの技術、ではなかった!?
ネオスマートペンは独自技術を採用
実は最近まで極めて気に入っていたLiveScribeの「Wi-Fi Smart Pen」が半年ほど前に壊れてしまった。モバイルルーター経由でEvernoteなどのクラウドサービスに手書きのレポートや図版を送れる素晴らしい商品だった。
残念ながら、すでに生産終了で足元を見たプレミア付きの法外な値段のモノしか売っていなかったので、やむなく同じLiveScribeの最新製品の「SmartPen 3」を買った。
SmartPen 3は、Wi-Fi機能のないBluetoothオンリーのデジタルペンなので、スマホとしかつるんで遊べず、従来のモデルに比べると、極めて意気消沈するが、それでもないよりはマシだということで時々は使っている。
アノトの技術を使ったデジタルペンは現在も法人ビジネスに重点を置き、個人用の商品はその一部を学研やソースネクストなどが扱っている。
筆者が現在使っているSmartPen 3もアノトの技術を使っており、「アノトパターン」と呼ばれる特殊なパターンが専用紙上の全面に印刷されている。
実は、今回ご紹介するネオスマートペンも最初はアノトの技術を使っていると勝手に思い込んでいた。
しかし、専用紙のパターンはアノトのパターンとは異なるものだった。実際にパターンをマクロ撮影して比較するまでは、単にアノトデジタルペンの仲間がもう一つ増えたのだと思っていた。
アノトパターンは見えない方眼用紙の線の交点の上下左右に小さなドットを配して、ある面積の中での複数ドットを組み合わせたグループを、ペンの先に付いているカメラが見て、ペン先の位置を特定する技術なのだ。
一方、ネオスマートペンの方は、何かに似てると思っていたが、向きの違うスラッシュ(/)が集まった“プレデター文字”のような雰囲気だ。
任意の単位面積あたりにあるこの特殊なパターンの向きの組み合わせを瞬時に読み取るために、ネオスマートペンのペン先にもカメラが用意されている。
全般的な構造や仕組みもアノトとよく似ているので、実際のところ、パターンの模様意外にどういうところが違うのか極めて興味のある商品だ。
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