どもどもジサトライッペイです。3月31日(現地時間)に行なわれたインテルのサーバー/データセンターのイベント『Intel Could Day 2016』に参加してまいりました。既報でお伝えした通り、このイベントに合わせて14nmプロセスのサーバー/データセンター向けCPU、Xeon E5-2600 v4ファミリー(開発コードネーム:Broadwell-EP)が登場しました。秋葉原ではすでに販売が始まっており、2CPU自作er達もアップを始めました。
サーバー/データセンター向けのCPUということで、イベントではパートナー企業のプレゼンが多かったのですが、自作PC野郎として最も気になったのはXeon E5-2600 v4ファミリーのラインアップと価格。イベントが明けて4月3日、ようやくインテルの製品情報ページであるIntel ARKに掲載されたのでまとめてみました。
Xeon E5-2697 v4のTRAY価格が2702ドルなのに注目です。単純に日本円換算すると約30万円ですが現在日本では約34万円程度で販売しています。Xeon E5-2695 v4もTRAY価格2424ドル(日本円換算で約27万円)に対して、30万円強で販売しています。つまり、国内販売では1割ぐらい価格が乗っている計算です。そこから考えると、お取り寄せでまだ価格が明らかになっていないXeon E5-2699 v4は、TRAY価格が4115ドル(日本円換算で約46万円)なので、おそらく50万円程度になると思います。2個買うと100万円です。44コア/88スレッド環境への道はとんでもなく険しいものとものとなるでしょう。まあ、まだ対応マザーボードが少ないので、BIOSアップデートがくるまでゆっくり考えるのもアリです。
さて、イベント翌日はインテル本社のIntel ITのデータセンターを見学してきました。現在インテルのデータセンターは60拠点あり、13万5000基以上のXeonサーバーが稼動しています。CPUのコア数は100万個以上となり、ストレージはなんと124PB(ペタバイト)以上。ネットワークポートの数は18万口以上で、エネルギー効率を示す指標のPUE(Power Usage Effectiveness)は1.06/年とのこと。業界標準は1.8で、これと比較すると年間で約190万ドル(約2.1億円)も節約しているとのこと。6年で建設費の元がとれるのを期待しているそうです。
そんなPUEもさまざまな改良を重ねて現在の1.06を達成したと言います。以下がその変遷です。
そして、今回の目玉。TOP500で81位になったというスーパーコンピューター『SCD2P4』です。CPUはHaswell-EP世代のXeon E5-2680 v3(12コア/24スレッド)を採用し、合計コア数はなんと3万672個。CPUの数で2556個です。ちなみに、Xeon E5-2680 v3の日本での実売価格は22万円前後なので、CPUだけで5億6232万円です。額が大きすぎて、ちょっと何言っているかわからないレベルですね。
しかし、それだけ多くのCPUが入っているにもかかわらず、この程度のスペースに収まっているのが意外でした。Xeon E5-2680 v3は2ソケット対応Haswell-EPのラインアップの中で上から8番目のSKUです。Broadwell-EP世代だとTDPが同じく120WのXeon E5-2680 v4が後継モデルに該当しますが、こちらは14コア/28スレッド。同システムでXeon E5-2680 v4を2556個運用すれば、総コア数は3万5784個になり、約16%増になります。性能もリニアに伸びるとは限りませんが、SCD2P4の性能は833.92TFLOPSなので、これだけの省スペースで1PFLOPS近い性能のスーパーコンピューターが出てきてもおかしくありません。ちなみに、TOP500で2013年に世界一位になった中国のスーパーコンピューター『天河2号』は3.86PFLOPSです。天河2号はXeon E5-2692(12コア、2.2GHz、Ivy Bridge-EP)2個+Xeon Phi3本のノードを1万6000基使っています。この規模でBroadwell-EPのシステムになったら一体どれほどの性能になるのか? 夢が膨らみます。