③ターゲットユーザーとエクストリームユーザーを見分ける判断基準を明確にする(仮説)
②で洗い出した特徴の仮説をもう一歩具体化して、ターゲットユーザーと、エクストリームユーザーを抽出する判断基準を明確にしていきます。コスメ用品の購買行動、利用時の行動などの相違点を整理し、以下の通り特徴をまとめました
ターゲットユーザーとエクストリームユーザーの特徴(仮説)
ターゲットユーザー | エクストリームユーザー | |
---|---|---|
ECサイトでコスメ用品を購入する頻度 | 数カ月に1度程度 | 毎月複数購入 |
コスメへの興味関心度、こだわりの強さ | 勧められて購入 | 実際使って評価する |
メイク直しをする頻度 | 夕方 | 2、3時間置きに直す |
コスメ用品の1カ月の購入金額 | 5000〜1万円 | 2万〜3万円以上 |
このようにユーザー層の違いによる行動特徴の仮説を把握することで、インタビュー対象者を抽出するアンケートの質問を考えやすくなったり、抽出基準を決めやすくなったりできるのです。
ただし、この特徴はあくまで仮説です。ターゲットユーザーの特徴をこの時点で正確に把握することは難しいので、アンケート調査やユーザーインタビュー実施後、結果からターゲットユーザーとエクストリームユーザーの特徴や抽出基準を再度見直すことが重要です。
整理したそれぞれのユーザー層の特徴を仮説だと認識した上で、次に進みましょう。
④ターゲットユーザーとエクストリームユーザーを見分けるアンケート作成
ターゲットユーザーとエクストリームユーザーの特徴(仮説)から、ユーザーインタビュー対象者を抽出する「アンケート」を作成します。
アンケート項目として考えた内容は下記の通りです。
アンケート項目 |
---|
年代 |
コスメ用品をECサイトで購入する頻度 |
ECサイト以外でコスメ用品を購入する場所 |
ECサイトで購入するコスメ用品の金額 |
メイクに対するこだわり |
ユーザーインタビュー対象者に調査の意図を読み取られて、本音を聞き出せなくなる懸念もあるので、アンケート項目は必要最低限に絞りました。また、回答は選択肢を選ぶだけにするなど、回収する回答数を増やすための工夫もしています。
この時のユーザーインタビューはヤフー社員を対象に実施しました。
社員を対象にするユーザーインタビューのメリット/デメリット
社員を対象にするユーザーインタビューには以下のメリット/デメリットがあります。
社員対象にインタビューを実施するメリット
- 謝礼がなくても回答が集まりやすいのでコストがかからない(お礼の気持ちで簡単なお菓子を渡すことはある)
- インタビュー対象者を短期間で素早く集められる
- 再度気軽にインタビューできる
- インタビューした同じ人に後日プロトタイプテストもできる
- サービス担当者がインタビューに参加しやすい
社員対象にインタビューを実施するデメリット
- インタビュー対象として理想の特徴にすべて合致しない人しかいない場合、インタビュー対象の条件に妥協が必要になる。
たとえば、ヤフー社員はITリテラシーが高い傾向にあるため、提供するサービスがITリテラシーの低い人を対象としている場合、妥協することになる。
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今回は、ユーザーインタビュー実施の経緯と、準備を紹介しました。次回もYahoo!ショッピングの事例を通じて、実際にインタビューをする際のポイントを紹介します。