3月28日、アスキー主催の「IoT&H/W BIZ DAY by ASCII STARTUP」において、「SORACOM×アウトドア・スポーツでどんなIoTができる?」というセッションが開催された。あらゆる分野でIoT化が進む中、スポーツという分野ではどのような未来が待ち受けるのか。
ソラコム代表取締役社長の玉川憲氏、ソニー UXプラットフォームSE事業室の上沢康豪氏、シーオス代表取締役社長の松島聡氏、SAPジャパン インダストリークラウド事業統括本部 ネクストイノベーションデベロップメント シニアマネージャーの吉越輝信氏が登壇し、にぎやかな議論となった。
それぞれのスポーツとの関わり
まずはソラコム玉川氏が、今回のテーマとなる「SORACOM Air」について説明。「昨今、IoTの進展著しく、2020年には500億台のデバイスがインターネットに繋がると言われてますが、課題となるのが、それらをいかにインターネットに接続するか。そこで『SORACOM Air』というモノ向け通信サービスを提供しています。価格も月額300円程度なので、これまで入れられなかった領域にも通信が入れられるようになる。おかげさまで1500以上の採用事例が出ていますが、スポーツは当社にとってもこれからの分野なので、ワクワクしています」とコメントした。
玉川氏自身、大学時代にテニス、会社でフットサルをやっていて「運動は大好き」。2週間後には石垣島のトライアスロンにも出場予定と、根っからのアスリートであることを告白。「子供の教育にも運動は大事だなと思ったりします」と日頃からスポーツに親しんでいるようだった。
他3名もスポーツとは関わりが深いという。
ソニー上沢氏は、Cerevoで学生アルバイトをしているときにハードウェアの面白さに目覚め、2014年にソニーに入社。現在はテニスラケットセンサー「Smart Tennis Sensor」と、ランニング向けのスポーツデバイス「Smart B-Trainer」のマーケティングに携わる。
スポーツについては「小学生の頃は相撲をやってました。というのも実家が相撲部屋でして、練習を本物の土俵でして、試合をマットでするような感じでした(笑)。中高ではバスケ、社会人になってテニスを始めました」という。
「Smart Tennis Sensor」は、まさにテニスプレイヤーに嬉しい技術で、ラケットに専用センサーを取り付けると、ラケットのインパクト位置、スイング速度、スピンレベルなどのデータを記録できる。「ユニークなのはプレイの様子を撮影した動画に各種データを重ねて表示できること。データからショットの良し悪しを判断するだけでなく、動きの中からフォームが確認できる」(上沢氏)という。
こうしたテニスのデータは珍しく、これを使ってデジタルコーチングができないか、テニススクールとも検討中だそうだ。
一方、「Smart B-Trainer」は音楽プレイヤー・心拍センサー・GPSなどが一体となったもので、ランナーが耳に装着すると、音声で心拍やペース配分などをアドバイスしてくれる。「音声で案内してくれるのが一番の特徴で、スマートウォッチのように走りながら逐次確認しなくても、状況を把握できる」という。そのほか、プロのランニングコーチである金哲彦さん監修のトレーニングメニューなども用意している。
SAP吉越氏は「Smart Tennis Sensor」を実際に使っているそうで、ユーザーとなった経緯をこう語っている。「当社は業務システムを扱うスポーツとは真逆の会社なんですが、3、4年前にスポーツを含むエンターテイメント業界に参入しました。そこで車いすテニスプレイヤーの国枝慎吾さんの強さをデータで解明するなんて取り組みもして、そこで試合に感動してしまったんですよね。で、45歳からテニスを始めて、スクールにも通ったんですけど、おばさんたちにボコボコにされるわけですよ。それが悔しくて、たまたま知ったSmart Tennis Sensorを即買しました」
スポーツという点ではシーオス松島氏も負けていない。「当社は流通関連のIoTアプリケーションなどを作っていて、そこで玉川さんと一緒に仕事をさせてもらっています。元々はアクセンチュアからスピンアウトした会社で、スパコン開発などが集まるトップエンジニア集団なんですけど、みんななぜか朝活で運動してから出社するくらいスポーツが好きで。自分も創業当初、B2Cの仕事がやりたいと思って、『Triathlon LUMINA』というトライアスロン雑誌を立ち上げたりして。それがスポーツ業界に関わるようになったきっかけですね。実際にいまでも毎年世界各地のIronMan(スイム3.8km、バイク180km、ラン42.195kmの鉄人レース)に参加しています」という。
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