プロ野球が開幕したが、みなさんいかがお過ごしだろうか。3月29日、横浜DeNAベイスターズは本拠地・横浜スタジアムでの開幕戦を迎える。さっそく観戦に行こうとしたところ、上司にあっさり止められた。
「仕事は?」
これが上司の言い分である。説得力がある。
ベイスターズの親会社はDeNAですよ、編集部にもアイドルが踊るゲームをやっている人が多いじゃないですか、と力説したが、どういうわけか悲しい顔をされた。SSRが出なかったのだろうか。
そこで筆者は知恵をしぼり、「いま話題になっているVRをプロ野球チームがいち早く取り入れ、球場を使った体験コーナーがあるというので取材したい」と申し出たところ、上司からこころよくOKをもらえた。というわけで、編集部のある飯田橋からウキウキでJR関内駅に向かうのであった。
球場内で誰でも360度映像を楽しめる
横浜DeNAベイスターズが、ゴーグル型ヘッドマウンドディスプレー「Gear VR」を用いた、360度の映像コンテンツ提供サービス「360(さんろくまる)ベイスターズ」を実施すると発表したのは既報の通り。
その一環として、横浜スタジアムで主催される公式戦71試合において、360度映像コンテンツをGear VRで体験できるブースをコンコースに設置するというので、取材してきたわけだ。
ちなみに、体験コーナーで視聴できる映像はYouTubeの横浜DeNAベイスターズ公式チャンネルで公開されている。
球場ならではという点では、近未来的なポッド型のイスもあった。中に座って、ヘッドフォンを使用し、より没入感が楽しめる。しかもイスは音声に合わせて振動するという仕組みだ。
さっそく筆者も体験してみる。係員の人が操作を優しく教えてくれるので、初めてでも安心だ。
座ってみるとわかるのだが、体の後ろ半分で感じる音と光が遮られるので、普通にGear VRを装着するよりもはるかに没入感が高い。まさにここでしか味わえない感覚だ。さらにイス自体が力を入れなくてもくるくると回るので、360度、すべてを見回しやすい。これはオススメ。
スタッフによると、「野球を見に来るのが目的の人たちに、この体験コーナーが受け入れられるだろうか」という不安もあったらしい。しかし、開場してしばらくすると、席の確保や飲み物の購入を終えた人が次々と集まってきて、すぐに盛況となった。
VRを体験したい、選手たちの映像を見たいという人々はもちろん、顔の半分近くを覆うGear VRを装着した人の見た目にインパクトがあったのか、多くの人がブースの前で足を止めていた。
ちなみに、ベイスターズ側もかなり乗り気のようだ。開幕を迎えた3月29日、Gear VR 横浜DeNAベイスターズ限定モデルを発売した。その名の通り、横浜DeNAベイスターズロゴをあしらったモデルだ。価格は1万6000円となっている。
横浜スタジアムのVRはこれだけではない。観客席の中にも、Gear VRが体験できるスペースがあるというので、いそいそと行くことにした。