電力自由化の新規参入会社紹介の2社目は、携帯電話でおなじみのソフトバンクによるサービス「ソフトバンクでんき」。携帯料金とのセットで割引になるだけでなく、支払った料金に応じたTポイントの還元が用意されている。
電気自体は東京電力からの供給が主体となるが、グループ会社による再生可能エネルギーを活用したプランもあり、地球にやさしい電気供給も検討できる。それではソフトバンクの電力サービスを紹介しよう。
ソフトバンクグループの総力を結集した電気サービス
携帯電話会社の一角を担うソフトバンクの電力自由化は、グループ会社との連携によって総合的なサービスが用意されている。電気自体は業務提携した東京電力から供給されるので、安定した電力供給という点は不安はないだろう。また、東京電力からの供給ではあるが、ソフトバンクでんきは東京電力エリアのほか、関西電力エリアと中部電力エリアにも提供される。この他の地域については順次エリアが拡大されるとのことだ。
また、料金プランに再生可能エネルギーを用いた「FITでんきプラン」が用意されている。このプランでは、グループ会社のSBエナジー、SBパワーとの連携によって、再生可能エネルギーを主体とした電気供給が行なわれる。
「FITでんきプラン」は東京電力エリアと北海道電力エリアへ提供される。用いられる再生可能エネルギーは太陽光発電のほか、プラスチックを燃料としたリサイクル発電による電気も活用される。今後、再生可能エネルギー比率を現在の倍以上に拡大する方針が国に示されているが、このプランはその一翼を担うチョイスとなるだろう。
ライフスタイルに合わせた3つのプラン
ソフトバンクでんきでは、家族構成などに合わせた3つのプランが用意されている。単身者向け「スタンダードプラン」、3、4人家族向け「バリュープラン」、大家族向け「プレミアムプラン」だ。この3つのプランに「おうち割」を加えることでさまざまな値引きが行なわれる。
「スタンダードプラン」は基本料金や電力量料金などは従来の電気料金と変わりがなく、「おうち割電気セット」をつけなければ特に安くはならない。
「バリュープラン」は月の電気使用量が300kWhまで定額となり、300kWhを超える料金が従量制になるプランだ。300kWhまではこれまでより高くなるが、300kWhに届かなかった場合にはTポイントでの還元(月最大100kWhまで)またはスマホのデータ量を3GB還元してくれる。
「プレミアムプラン」は月の電気使用量が400kWhまで定額となるプランとなっている。これら3つのプランは2年契約となるので注意しよう。
この3つのプランに加え、携帯電話やインターネットをセットにした「おうち割」が用意されている。この「おうち割」には、携帯電話+インターネットをセットにした「光セット」と、携帯電話またはインターネットをセットにした「でんきセット」がある。「光セット」では携帯料金が1人あたり最大月額2000円割引になり、「でんきセット」は世帯あたり最大月額300円の割引となる。
この対象となるのは当然のことながらソフトバンクの携帯電話を利用している人となる。またインターネットはSoftBank光やYahoo! BBが対象となるので、ほかのプロバイダーを利用している人はその恩恵にあずかることはできない。
「おうち割」を使う場合の電気料金の支払いは、携帯料金やインターネット料金とまとめて行なうことができる。
電気料金の支払いでポイント還元
ソフトバンクでんきの契約では、電気代に応じてTポイントが還元される。公共料金の支払いはクレジットカードでの引き落としでポイントが貯まるということはあったが、その料金自体でポイントが貯まるというサービスはこれまでなかった。電気代を支払って、それで貯まったポイントでお買い物という新しい選択肢が増えることになる。
次回は、ケーブルTVなどで知られるJ:COMの電気サービスについて解説する。