電力自由化まで1ヵ月を切り、雑誌やテレビなどでも話題として取り上げられる機会が増えてきた。それに伴って「電力自由化で将来的に電気代が倍になる」などとソーラーパネルを売りつける悪質な勧誘も出てきたようなので注意してほしい。
電力自由化で新規参入する企業は現在のところ200社近い企業が名乗りを上げている。そこで今回からは、この電力自由化に新規参入する企業の個々のサービスについて解説していく。最初に紹介するのは東京ガスだ。
ガスというライフラインを手掛けてきた企業による電力販売
さまざまなジャンルの企業が新規参入を表明している電力自由化だが、その供給についての不安はやはりどこか頭をよぎるという人もいるだろう。前回の基礎知識で解説した通り、切り替えた企業に関わらず、電力は安定して供給されるのでその点について心配する必要はないのだがそれでも心配という人には、すでにライフラインを提供してきた企業はいかがだろうか。ほかの新規参入会社と比べ、これまでのノウハウを持ち合わせている分、安心感があり、ライフラインについての支払いをまとめることができるというメリットもある。
その中で大手となるのが東京ガスだ。すでに妻夫木聡さん、広瀬すずさんらが出演するTVCMを観た人も多いことだろう。
東京ガスの場合、販売会社だけではなく発電会社として電気の供給が行なわれる。発電は天然ガスを利用した火力発電で、2020年までに約300万kWを供給する計画だ。これは原子力発電3基分に相当する電力供給となる。
ガスと電気のセットに加え、プロバイダーとのトリプルセットを用意
東京ガスの都市ガスを使っているエリアで電気契約をすると、「ガス・電気セット割」が適用される。このセット割を用いると、電気の基本料金から月額270円割引される。通常の家庭の基本料金は、契約電流が30Aの場合842.40円、40Aが1123.20円、50Aが1404.00円、60Aが1684.80円となっており、270円の割引は決して低くない金額だ。
電気料金全体についてはサイトにシミュレーションが用意されているので、現在の契約内容などで計算してみるといいだろう。ちなみに筆者の場合は年間1万円ほどお得という計算となった。
また、この「ガス・電気セット割」に加え、提携プロバイダーとの契約でインターネット接続も割引になる「東京ガストリプル割」が用意されている。接続料金の割引額は各社で異なるが、月額100円~300円の割引となる。提携プロバイダーはASAHIネット、BBエキサイト、BIGLOBE、DTI、OCN、ぷらら、So-netの7社だ。
生活に役立つサービスがついてくる
東京ガスと電気契約をした場合、料金の割引に加え、生活周りのサービスがついてくる。このサービスは2016年4月に開始予定の「生活まわりかけつけサービス」で、2018年3月までの2年間無料で使える。
「生活まわりかけつけサービス」は水にまつわるトラブル、たとえばトイレや排水溝が詰まった場合や、鍵をなくしたといった場合、あるいはガラスが割れてしまった場合の修理などの出張費や作業費が無料となるサービス(作業時間30分以内の場合)。ガラスなどの実費はかかるが、万を超える額となる出張費などが無料になるのは大きい。
また、変わったところではクックパッドのプレミアムサービスである「人気順検索」を利用できるようになる。クックパッドのプレミアム会員は月額280円で、ほかの機能もあるが、「人気順検索」が無料で使えるのは便利だろう。
次回は、ソフトバンクの電気サービスについて解説する。