東芝は2月1日、Bluetooth Low Energy(BLE)用の新たな無線受信アーキテクチャーを開発、世界最小の消費電力での受信に成功したと発表した。
ウェアラブルデバイスなどでは取得した生体データを消費電力の少ないBLEを使って転送する製品が多いが、より小さなデバイスで長時間充電なしで動作させるには、さらなる低消費電力化が必要とされる。
東芝では、消費電力低減のための新たな受信アーキテクチャーを開発した。従来2つの信号系統(同相成分と直交成分)のアナログ信号処理回路を用いたデータ復調処理を、周波数シンセサイザーの設定周波数を工夫することで1系統(同相成分)のみで実現している。
さらに、デジタル型周波数シンセサイザーのノイズ除去機能を活かすことで、A/D変換器も不要とした独自の復号処理構成としている。この2つの回路を省略したことにより回路構成は大幅にシンプルとなり、従来のアナログ回路に比べて約10%の消費電力削減が可能となったという。
東芝では、ウェアラブルデバイスやインフラ監視用センサーネットワークなどの需要に向け、早期の実用化を進めるとしている。