PCのストレージは数年前までは、HDDが主流だった。しかし近年、先んじてデスクトップのシステムドライブはSSD、データ保存領域としてHDDといった流れになったが、現在ではモバイルノートPCでもすっかりSSDが主流になっている。SSDのメリットは言わずもがなだが、データの読み込み/書き込みの速さに尽きる。容量こそHDDと比べると少ないが、体感速度に直結するPCパーツだ。また、HDDのように内部で駆動する構造ではないため、衝撃に強いといった利点もあり、最新のモバイルノートPCはSSD搭載機が多い。もちろん、モデルによってはオプションでHDDを選択できるが、それを選ぶ理由は容量以外ほとんどない。今回は改めてSSDのメリットを再確認するべく、同一環境でSSDとHDDの違いをチェックしていく。用途によっては最大7.5倍(Photoshop初期状態からの起動時間)の差が出る結果となったので、これからのPC選びに役立ててほしい。
ストレージ以外は同じスペックのノートPCを用意
検証機としては、富士通のモバイルノートPC「LIFEBOOK SH90/W」と、直販のカスタムメイドモデルである「LIFEBOOK WS1/W」を用意した。13.3型のモバイルノートPCで指紋認証リーダーを備え、Windows 10の生体認証機能“Windows Hello”が使えるPCだ。スペックはCore i5-6200U、メモリーはDDR4の4GB。SH90/Wは約256GBのSSDを搭載し、内部接続はSATAとなる。一方で、WS1/Wは約500GBのHDDを搭載する。両者の違いはストレージだけだ。なお、WS1/WもSSDモデルを選べるが、今回はSSDとHDDでPCの快適さがどこまで変わるのかを検証するため、HDDにカスタムしている。以下、SH90/WをSSD搭載機、WS1/WをHDD搭載機と表記する。
「CrystalDiskMark」はHDDの4Kランダム速度の遅さが際立つ
まずは、ストレージベンチマークでは定番のソフト「CrystalDiskMark 5.1.1」を実行してみた。結果としては上記のように、SSD搭載機が良好だ。HDD搭載機の場合、特に4Kランダムの遅さ、つまり細かいファイルの読み書きに弱いため、OSやアプリケーション起動、ファイル移動などで極端に遅くなってしまう。逆にSSDを搭載するSH90/Wは総じて速いため、そういった部分がボトルネックになりにくく、体感速度が上昇するというわけだ。