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大手からスタートアップまで楽器メーカーが出す製品群

iPhone中心の制作へ、今年の楽器トレンドはBluetooth MIDI

2016年01月30日 12時00分更新

文● 四本淑三

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番外編2 モジュラー型コントローラー「Palette」

Palette

 大手からスタートアップインスパイア系とも言える製品が出ている昨今、その流れを組むものとして、Kickstarterで資金を募り製品化されたモジュラー型コントローラー「Palette」もおもしろいと思います。残念ながらBluetooth接続ではなくUSB接続ですが。

 モジュールは4種類。PCとUSBで接続する液晶付きモジュール「コア」に、「ボタン」「ダイアル」「フェーダー」を必要に応じてくっつけていきます。Little Bitsのように接点とマグネットが付いていて、組み合わせは自由。専用アプリで、各モジュールにPhotoshopやIllustratorのパラメーターをアサインすると、画質の補正などの操作に使えます。マウスのクリックばかりで腱鞘炎を起こしそうなデザイナーには朗報かもしれません。

 「ちょっと! 音楽全然関係ないじゃん!」と、今あなたは思ったかもしれませんが、Paletteには「MIDIモード」というものがあって、各モジュールにCCメッセージを割り振ることもできる。だからAbleton LIVE、REASON、LOGIC Pro、TRAKTORなどのコントローラーとしても使えるわけです。

 Paletteの価格はスターターキット(コア×1、ダイアル×1、ボタン×2、スライダー×1)が199ドルから。モジュールの単体販売もあり、ダイアルとスライダーが49ドル、ボタンが29ドルとなっています。いじりたいパラメーターが少なければ省スペースでお安く、多ければそれなりにと、目的に合わせて柔軟に構成できるのがよいと思います。

 ところで、Maker Faire Tokyoでも、日本のWOSKというチームが、これとほぼ同じコンセプトのコントローラー「CUSTOM LAYOUT MIDI CONTROLLER CC-1」を展示していました。Paletteはマグネットでくっついているだけなので、持ち上げるとバラけてしまうはずですが、こちらは基板に差し込むソケット型。現場感覚で言えば、運搬時にバラす必要がなく、設営や撤収が楽という点で、CC-1のデザインにも理があるように思えます。こちらの発展もお祈りしております。

展示されていたのは2014年11月のこと。あれからどうなったのかがそろそろ知りたいです



著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)

 1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ

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