番外編1 未知との遭遇っぽいZOOM「ARQ」
なにか得体のしれないものがZOOMから出てきました。「ARQ Aero RhythmTrak」という製品は、我々の概念で言えばグルーヴボックスと言っていいのだと思いますし、多分それに近い楽器です。ドラムマシン、シンセサイザー、ルーパーを内蔵した音源ユニットの「AR-96」と、着脱可能なMIDIコントローラー「AR-96c」で構成された製品です。
このあたり、少し前までならコルグが得意としていたジャンルのはずですが、スキを見計らってということでしょうか。これまで高性能で良心的な価格の真面目な製品を造り続けてきたイメージのあるZOOMにして、このかっとび具合。素敵です。
さて、ここで注目したいのは、コントローラーのAR-96cの方です。まるでマルチカラーLEDを使った蛍光灯の代替品のようですが、本体とBluetoothで接続し、MacやiOS機器とも接続可能ということ。つまりこれでほかのアプリやシンセも動かせると。
この光る輪は、3軸式の加速度センサーで動きや傾きを検出して、シンセをコントロールするパラメーターを生成しつつ、輪の周りに組み込まれたベロシティー、アフタータッチに対応した96個のパッドに、好きなスケールをアサインして演奏できるようです。この輪を持ってエモく振り回せば音が出ると。
私はこのAR-96cを見て、その昔のパブリック・イメージ・リミテッド、略してPILというバンドの初来日公演の際に、主役のジョニー・ライドンが首から光る輪(たぶん蛍光灯)をぶら下げて登場したのを思い出しましたが、話が古過ぎて通じないかもしれません。
ついでにもっと古いことを言うと、この輪がもっと大きければ、フラフープのように腰でクルクル回しながら演奏できるのになあとか。新しい物が出てくると、思考が活性化し妄想も膨らむものです。「2016年春、リリース予定」ということですので、続報を待ちましょう。