セールスフォースやさくらとの提携、“C~F”までのサービス拡充!
ベンダーの垣根を越えた「みんなのSORACOM」が止まらない
怒濤の新サービス投入で“C”から“F”までが埋まる
同社がサービスを立ち上げてから4ヶ月しか経っていないが、その間新機能の発表が6回、値下げ発表が2回行なわれ、サービスはスピーディに成長している。今回も玉川氏から新機能追加と新サービスが発表された。
新機能の「SORACOM Access Management」は子ユーザーを作成し、SORACOMサービスへのログインや管理権限を付与できる。管理者はすべて、経理は課金/購入、開発者は利用のみといった権限の分離が可能になる。また、SORACOMを使っているサービス事業者がユーザー自身に管理を委譲する場合などにも利用できる。利用料金は無料。
SORACOM SIMを挿すデバイスのIMEI(携帯モジュールの識別番号)の取得も可能になった。SIMのIDとIMEIをセットで登録しておけば、SIMの不正利用を防止できる。こちらの利用料金も無料となる。
新サービスとしては「SORACOM Canal」「SORACOM Direct」「SORACOM Endorse」「SORACOM Funnnel」の4つが発表された。以下、サービス概要を玉川氏の講演からひもとく。
AWS VPCと直結する「SORACOM Canal」
「IoTはセキュリティが一番大事だと考えている。一方で、クラウドのパワーを使わないとIoTにならない。でも、クラウドは(セキュアではない)インターネット越しにコンピューターを使うモノ。両者は相反している」という玉川氏のコメントから発表されたSORACOM Canal。「運河」を意味するCanalだが、SORACOM CanalではSORACOMとAWSの閉域網であるVPCをつなぐことで、インターネットに出ないでクラウドを活用できる。「VPCで出たことでクラウド利用が本格化したように、Canalが出ることで、IoTの利用が本格化すると考えている」と玉川氏はコメントする。
マルチクラウド対応を実現する「SORACOM Direct」
AWS上に実装されているSORACOMの利用を他のクラウドから実現するため、AWS外のクラウドやデータセンターを直結する仕組みが「SORACOM Direct」になる。講演ではシークレットゲストとして、さくらインターネット フェローの小笠原治氏が登壇した。
2月に正式発表されるIoT向けサービスでさくらインターネットは、パートナーと共にセンサーデータの流通や保存、受け渡しを手がける。「さくらインターネットというとインフラというイメージがあるが、今後はインフラ以外の領域でもきちんと商売していきたい」という。また、SIMモジュール自体の開発も進めており、「現在出ているSIMモジュールの半額以下くらいのものを作り、独自プランや無償利用枠を付けて、手早くIoTの機器やサービス開発をできるようにする」(小笠原氏)という。
SORACOM Directに関して、小笠原氏は「われわれはSIMとSIMモジュールを提供し、SORACOMとプライベート接続させていただく。そして、われわれの閉域網の中で、データレイクやMQTTブローカーを取り扱えるようにする。そこからAPI経由でインターネットに出て行くところまで提供していく」と説明した。
さくらインターネットがいの一番に手を挙げたSORACOM Directだが、日立製作所でも仮想デスクトップを提供するため、現在SORACOM Directで接続実証をしているという。また、NRIやNECとの接続実績もあり、今後は積極的にマルチクラウドに対応していくという。
SORACOM SIMを通信できる鍵として使える「SORACOM Endorse」
セキュアなSORACOM SIMの認証を他のシステムでも利用可能にする新サービスが「SORACOM Endorse」になる。SORACOM Endorseはデバイス側からのリクエストに従って、SORACOMサービス側が認証トークンを発行。サードパーティのサーバーにその認証トークンを送信すると、公開鍵でそのトークンを検証できるという、まさに「エンドースメント」と同じ仕組みになる。
SORACOM Endorseを使うと、たとえばSIMでデバイス認証し、その結果を基にWi-Fiオフロード時の認証が可能になる。また、業務システムや多要素認証でも利用できる。「ただの鍵ではない。通信ができる鍵として使える。非常に新しい概念」と玉川氏はアピールする。
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