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Apple SIMは便利なのか!? ロンドンで試した結果はなかなか快適!

2015年12月27日 12時00分更新

文● 山口健太

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さあ、Apple SIMを使おうじゃないか!

 2015年11月、日本でもKDDIが対応したことで話題になった「Apple SIM」。キャリアごとのSIMカードを入手することなく、iPadから直接データプランを購入できるというSIM体験が注目を浴びました。

日本でもアップルストアで販売の始まった「Apple SIM」

 実際のところ、世界でもApple SIMに対応するキャリアは限られており、使い勝手はまだ向上の余地がある印象です。しかし今回、筆者は対応地域のひとつである英国を訪れる機会があったので、さっそくApple SIMを試してきました。

世界でもSIMカードを入手しやすいロンドン

 ロンドンは、世界で最もSIMカードを入手しやすい国のひとつです。空の玄関口であるヒースロー空港には、モバイルマニアの間で有名なSIM自販機が設置されています。

ヒースロー空港のSIM自販機。ロンドンの携帯ショップ店員が早口でまくしたてる英語を聞き取る必要なく買えるのは嬉しい

 もちろん、ロンドン中心部には多数のキャリアショップが軒を連ねており、SIMカードやプランの選択肢も豊富です。

欧州最大のショッピング街、オックスフォード通りにあるEEの店舗。改装中かと思いきや、クリスマス仕様にラッピングされていたようだ

 このようにSIMカードが入手しやすいロンドンですが、それでもApple SIMが便利に使えるシーンはいくつか考えられます。ロンドン郊外の空港に深夜に到着した場合など、翌朝までSIMを入手できないことも珍しくありません。選択肢は多いほうが良いことは間違いないでしょう。

Apple SIMでEEのデータプランを契約する

 さっそくロンドンでSIMフリー版のiPad Air 2にApple SIMを入れてみました。基本的な使い勝手は日本や米国と同様で、iPadの設定画面にある「モバイルデータ通信」からプランを契約します。

英国におけるApple SIMのキャリア選択画面。大手キャリアとしてはEEが対応。他にも世界各国でデータ通信を提供するGigSkyやAlways Onlineも選べる

 面倒なプリペイド回線契約が必要だったKDDIとは異なり、クレジットカード番号以外の個人情報は一切不要。このあたりは自販機でSIMを買うのと変わらない手軽さです。

EEとの契約はクレジットカード番号のみでOK。海外で何を入力していいか困る、住所や連絡先などの情報は不要だった

 EEでは以下のようなデータ通信のプランを提供しています。いずれも有効期間は30日間です。

  • 50MB/1ポンド(約180円)
  • 300MB/5ポンド(約900円)
  • 1GB/10ポンド(約1800円)
  • 2GB/15ポンド(約2700円)
  • 4GB/20ポンド(約3600円)
  • 10GB/30ポンド(約5400円)

1ポンドや5ポンドの小容量プランも用意されているのがうれしい

 為替レートが円安・ポンド高であること、料金に20%のVATを含んでいることなどから、やや高めに感じるものの、KDDIの1GB/1620円(税込)と大きく変わらない水準といえます。うれしいのは、ちょっと使いたい人のために1ポンドや5ポンドのプランが用意されている点です。

 また、Apple SIMの特徴としてデータプランを契約する時のデータ通信料は、無料になっています。たとえば滞在先の宿にWi-Fiがなく、他にまったく通信手段がない状況でも、iPadとApple SIMさえあれば、無料のセルラー通信でEEのプランを購入できるというわけです。

契約が終わるとすぐにデータ通信が可能に。データの残高はiPadの設定画面からいつでも確認できる

 ロンドンは地下鉄の駅が圏外になるなど、通信環境が良いというイメージはないものの、EEのLTEにつながれば比較的快適なインターネット体験ができます。Speedtest.netによる測定では、ロンドン・パディントン駅周辺で下り20Mbps、上り1.5Mbps程度を得ることができました。

ロンドンといえば通信環境はイマイチという印象も強いが、LTEにつながれば十分快適だ

3キャリア契約済みのApple SIMが完成

 ちなみに、筆者が使っているApple SIMはもともと米国で買ったiPadに入っていたもので、最初にT-Mobile USで使用した後、日本でKDDIのプリペイド契約も追加しています。

ちょっと分かりづらいが、上からKDDI、T-Mobile US、EEとの契約が確認できる

 さらに今回、ロンドンでEEを契約したことで、このApple SIMには3つのキャリアの契約情報が書き込まれました。米国のAT&TのようにApple SIMを自キャリア専用にしてしまうキャリアもあるため注意は必要なものの、1枚のSIMに複数のキャリアの契約情報を書き込めるのがApple SIMの真骨頂といえるでしょう。

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