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存在するかもしれない水(や生物の痕跡)を探る火星地中探査用の新兵器

欧州宇宙機関、火星探査車用プラズマドリルを開発中

2015年12月25日 15時28分更新

文● 行正和義 編集/ASCII.jp

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火星探査車とプラズマドリルのイメージ図

 ESAとロシア連邦宇宙庁が共同で進めている火星探査車「エクソマーズ(ExoMars)」の打ち上げが迫っている(2016年1月の打ち上げ予定だったが延期され3月の予定となった)が、こののちも計画は進められ、2号機は2018年の打ち上げが予定されている。

 エクソマーズ2016のローバー「スキアパレッリ」はドリルを装備し、火星初のボーリング調査を行なう予定。このドリルはいわゆる普通のドリルビットを用いるもので、深さ2mまで掘削できる。ESAは、できれば10mの深さまで掘りたいと考えており、新方式のプラズマドリルを検討中のようだ。

プラズマドリル「The Zapper」

 プラズマドリル「The Zapper」は、高電圧放電で岩を爆砕しながら地中に筒を押し込むというもの。ノルウェーの企業Zaptec(主にEV用充電機器を開発)に資金提供を行なって高電圧トランスなどの開発を進めている。ローバーが発生する100Wの電流で動作し、機械式ドリルのように硬いドリルビットを大きなトルクで回転させるよりも電力効率が高い上に機械自体も軽量で済むという。

将来的な小惑星探査・資源採掘などではプラズマドリルが有効かもしれない 

 エクソマーズ2018のローバーに搭載されるかどうかは未定ながら、火星の地中にあると予測される水の探査、さらには小惑星探査などにも活用できるだろう。なお、現在火星上で探査を継続中のNASAのキュリオシティには岩石を分析するためのレーザーが搭載されており、惑星探査の装備もバリエーション豊富になってきた印象だ。

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