パフォーマンスとバッテリー駆動時間をチェック
本機は、CPUに4コア4スレッドのIntel Atom x5-Z8500(1.44GHz/バースト時2.24GHz)を採用している。また、メモリは標準で2GB、フラッシュメモリは32GBとなっている。CPUはCherryTrailと呼ばれる新世代のAtomだが、いったいどのくらいのパフォーマンスなのだろうか?
そこで、いくつかのベンチマークを実行して性能を測ってみることにした。まず、AnTuTu Benchmarkを実行したところ、スコアが43493となった。これはサムスンの「GALAXY Note 4」より少し劣る程度。続いて、3DMark(Ice Storm Unlimited)を実行してみたところ、23273というスコアになった。YOGA TABLET 2 ProはAnTuTu Benchmarkが33518、3DMarkが15980というスコアだったので、かなりパフォーマンスは向上している。
続いて、高負荷時のバッテリー駆動時間を調べるため、バックライトの輝度を50%にし、YouTubeで8時間という長さのフルHD動画をフルスクリーン再生して電源が落ちるまでの時間をはかってみた。その結果、8時間11分の駆動が可能だった。常時Wi-Fiでネットにアクセスしながら高解像度映像を再生するという負荷の高い処理で8時間以上持つのはなかなか優秀。映画ならストリーミングでも4本分は再生できるわけで、これなら通常はバッテリーの残量をあまり気にせず、安心して使用できるだろう。
鉛筆なボールペンをスタイラスに使用可能
本機の機能のひとつに、AnyPenテクノロジーがある。これは、一般的な鉛筆や金属製ボールペンをそのままスタイラスとして利用できる技術。鉛筆やボールペンでなくても、直径1mm以上の丸味のある先端部を持つ導電性のあるものならば基本的にスタイラスとして使用することができる。
実際に、手持ちの鉛筆やボールペンで試してみたが、思った以上にまともに使えることに驚いた。パームリジェクションもきちんと動作するようで、手のひらを画面につけた状態でも文字や絵を描くことができる。鉛筆やボールペンで画面に直接書き込むのは抵抗があるかもしれないが、今回試した限りでは画面に黒鉛やインクの跡、傷などがつくこともなく、一般的なスタイラスペンと同様の感覚で使うことができた。
もっとも、ペン入力時は若干遅延があるため、本格的なお絵描きや細かい文字でメモを取るには辛そうだ。とはいえ、ちょっとしたラフスケッチや大まかなメモ程度なら、十分に活用することができる。意外にスタイラスペンは持ち歩きがめんどうだし、携帯するのを忘れがちなので、普通の鉛筆やボールペンをスタイラス代わりにできるのはありがたい。
使うのが楽しい個性的なタブレット
ここまで見てきたように、YOGA Tab 3 Pro 10は、プロジェクターやAnyPenテクノロジー、高音質スピーカーなど、一般的なタブレットにはない個性的な特長を数多く備えたタブレット端末だ。特に周辺機器やアクセサリを別途購入しなくても映像の投影やペン入力などが手軽に楽しめるのが好印象。タブレットで遊び倒したいという人にはもってこいの製品だ。もちろん、タブレットとしての基本性能も高く、たいていのアプリはサクサク動くのでビジネスで真面目に使いたいという人にもオススメ。他人とはひと味違う端末を探している人には、ぜひ注目してほしい製品だ。