指先を濡らす、マジックで塗りつぶす、やすりで削る
富士通のモバイルノートPC『LIFEBOOK SH90/W』の指紋認証センサーの限界を探る
2015年12月07日 16時00分更新
柔軟な仕様であればあれこれ試せる
では、さっそく生体ベンチマークに入ろう。ただ指紋認証をチェックするのではなく、ありそうな条件を再現して、それに耐えるのかどうか見ていく。SH90/Wに搭載されている指紋センサーは、指紋の凹凸にある電荷の量を読み取っているとのこと。センサー側の電極と皮膚の距離が遠いと電荷は少なくなり、近いと電荷が多くなるのを利用して指紋を読み取っているわけだ。さらに、汗ばんでいる人の指は電荷が溜まりやすく、逆に乾燥していると凹凸がわかりづらくなるため読み取り時間を調整しているとのこと。全仕様は公開されていないが、こういった方式ならば十分な柔軟性があるように思える。
生体ベンチマークは筆者の指を基準として次の検証を行なった。まず通常の状態でのチェック、次に指先に少しダメージの入っている状態、指先が濡れた状態、黒ペンで黒塗りした指先の4つだ。
上記のように、まず4種類中3つの条件で指紋認証はクリアーした。指先が濡れた状態は単純に電荷が読めない状態で、手が汗ばんだ状態でも認識が悪くなりがち。夏期であれば汗、冬期であれば手袋でやや湿っていることもあるので、認証する前に軽く手を拭くといいだろう。類似ケースとしてはハンドクリームを塗布した直後も指紋センサーの反応が悪くなる場合もあるので、軽く乾かしてからがいい。
認証速度を見てみると、通常の状態と指先が少し荒れている状態、ペンで黒塗りした状態で差はなく、ともに一瞬で完了した。SH90/Wの指紋センサーはこの点を重点的に強化しているようで、iPhone 6sのTouch ID(第2世代)と変わらない速度で認証を行なえた。そのため、スマホと同じ感覚でロックを解除できると思っていい。