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Top500更新、スーパーコンピューターでTeslaの採用が拡大

2015年11月17日 21時30分更新

文● 北村/ASCII.jp

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 NVIDIAは、世界のスーパーコンピューターのTop500リストを見ると、スーパーコンピューター業界の未来を形作っているのはアクセラレーテッド・システムであることが明らかであると発表した。

新しいアクセラレーテッド・スーパーコンピューター
24台のうち23台がNVIDIA Tesla GPUを採用

 2015年11月、100台を超えるアクセラレーテッド・システムが、スーパーコンピューターのTop500リストに入った。3桁の大台に乗ったのは、このリストが公表されるようになってから初めてのこと。

 アクセラレーテッド・システムの処理能力は、合計で143PFLOPSと、リスト合計の1/3以上に達している。 Tesla GPUベースのスーパーコンピューターは70台で、今回新登場となった24台のうち23台を占めている。

NVIDIA Tesla K20Xを採用するオークリッジ国立研究所のスパコン「Titan」。画像はオークリッジ国立研究所より抜粋

 NVIDIAによると、ハイパフォーマンス・コンピューティングの世界にアクセラレーターが普及している理由は、3つあるという。

 1つ目は、ムーアの法則が実現する速度が低下を続けており、効率的に処理能力を高められる新たな方法を模索しなければならなくなったこと。

 2つ目は、たくさんのアプリケーションがすでにGPUアクセラレーテッドとなっている点だ。調査結果によると、普及率でトップ50にランクされるHPCアプリケーションのうち70%近く、トップ10については90%がGPUアクセラレーテッド・コンピューティングをサポートしているという。

 3つ目は、アクセラレーターならある程度の投資でスループットを大幅に高め、スーパーコンピューティング・サイトやハイパースケール・データセンターの効率を最大化できることだ。

 10ヵ国における各国最速のスーパーコンピューターを含め、世界をリードするシステムの多くがNVIDIA Teslaを採用している。オークリッジ国立研究所にある米国最速のTitan、モスクワ国立大学にあるロシア最速のLomonosov 2、スイス国立コンピューティングセンターにある欧州最速のPiz Daintなどだ。

2015年11月のTop500におけるトップ10
順位 システム名 保有国 所在地
1位 Tianhe-2(天河ニ号) 中国 広州国立スーパーコンピューターセンター
2位 Titan アメリカ オークリッジ国立研究所
3位 Sequoia アメリカ ローレンス・リバモア国立研究所
4位 日本 理化学研究所 計算科学研究機構
5位 Mira アメリカ アルゴンヌ国立研究所
6位 Trinity アメリカ ロスアラモス国立研究所
7位 Piz Daint スイス スイス国立スーパーコンピューティングセンター
8位 Hazel Hen ドイツ シュツットガルトハイパフォーマンス計算センター
9位 Shaheen II サウジアラビア キング・アブドゥッラー科学技術大学
10位 Stampede アメリカ テキサス先端計算センター

 NVIDIAの共同創立者兼CEOのジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)氏は、いずれスーパーコンピューターのすべてがアクセラレーションを必要とする日が来るとしている。

 新しい知見の発見ペースが加速し、コンピューターによる計算や機械学習、可視化で結果を得ようとする研究者が増えていることから、この傾向は今後強まることこそあれ弱まることはないと、同氏は述べている。

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