最高のDIGAというコンセプトは分かりやすいが……
まずDMR-UBZ1の開発のポイントとして挙げられるのは、以下の3点だ。
第1にまったく新しいフォーマットであるため、規格化と並行して製品の開発に当たらなければならなかったこと。5月にホワイトペーパーが出てから、約半年で製品投入がなされたことになる。
第2にHDRという新しい考え方にどう対応するかが問われたこと。手探りの中、開発を進めた。
そして第3にDIGAのハイエンドである9600の後継機種として出すこと。コンセプトとしては明確だが、画質の完成度が問われるため、ハードとしての実現には難しさがあること。これまでの9600はすでにある技術を数年熟成したうえで盛り込んできたがそれができないためだ。
つまりDMR-UBZ1は、パナソニックが2013年に発売した超弩級のBDプレーヤーとして、今なお"最高峰画質"の評価を得ている『BZT9600』の後継機であり、単に世界初のUltraHD Blu-ray再生機であるだけではないということ。投入タイミングも「2013年に市場投入した、BZT9600から2年が経ち、その後継モデルを作りたいと考えて開発した」(甲野氏、以下同)という。
DIGAシリーズは半年に1回程度のモデルチェンジを繰り返しており、プレミアムモデルでも1年以上の期間を空けることはなかった。つまり世界初のUltraHD Blu-ray再生機であるだけではなく、画質・音質に徹底的にこだわり抜いた仕様であることだ。
内部的には「9600に入れたものは、ほぼ丸々入っており、4K再生を追加した」というコメントからもわかるように、既存のBDZ9600で培った2Kの再生エンジンと独立する形で、4K/60p/10bitのHEVC映像をデコードできる、"新規の画質エンジン"を追加する形で設計している。今回の取材では音質面には大きく触れないが、ハイレゾ音源の再生にも対応したまさにハイエンド・オーディオに匹敵する作り込みがなされたモデルでもある。